男の本格節約術 5年で1000万円貯める52のノウハウ

入ってくれば入ってくるだけ使ってしまうタイプなので、全く資産形成と縁がない私です。
お金がなくなったら稼げば良いんでしょう!という典型的な人。

そのくせ理不尽な仕事は引き受けたくないので、そのようなケースに遭遇すると常に「冗談じゃありません、こっちから辞めてやります!」と言いたいタイプ。(そして、実際それを実践してきました)
これまでは辞めてもすぐに食べていけるように、どこでも通用するスキルを身につけることにフォーカスしていましたが、しばらく仕事を目一杯休んで冷静に振返り、わかったことがあります。

そもそも月々のランニングコストが安くて済むなら、そんなに高額年収を狙う必要がないので、格段に仕事が選べる範囲が増えるということ。

選べる範囲が増えれば、それだけ好きなことやら、興味のあることを仕事にすることができるので、ストレスが非常に少ない。

そして、楽しめる仕事を選べばストレス解消にかかる費用がなくなる。

私の場合は、ストレスが溜まると、国外逃亡、暴飲暴食(セットで増大するタクシー代)、体調悪化に伴うメンテンスフィー、高額化粧品やエステ、美容関係+ファッションへの散財というタイプで、入ってくれば入ってくるだけ使う額が増えます。
※パーキンソンの法則の第二法則は、Expenditures rise to meet income だそうです。この本で知りましたが、まさに私のことです。

でもって、使う額が増えるけれど実はストレス解消にそれほどなっていない…ことがほとんどです。(瞬間的にはストレス消えますが…。)

ということにかなり遅まきながら気がつきまして、最近Money Managementにも興味が出てきました。
で、株だ!NISAだ!FXだ!というようなところにはまだ全然たどり着かず、まぁとりあえず貯金しますかね…という社会人1年生みたいな段階にいる現在ですが、さて、銀行金利…、いや、低金利だというのはもちろん新聞読んでいてわかっていましたが、実際に検討してみるととにかく安い。

1000円の金利を得ようと考えるよりも、2000円節約するほうがずっと楽ですよね。これだったら、金利について考えるよりも、まずは節約のほうが効果的だろうなぁという風に考えて、今までは全くすっ飛ばしていたその手のニュース記事なども読むようになりました。

で、その中で紹介されていた本が、柏本湊さんの「男の本格節約術 5年で1000万円貯める52のノウハウ」

著者はもともとかなり堅実で倹約家のご家庭で育ち、東大卒業後、メガバンクに入り、金融資産が貯まった段階で退職し、現在は本の執筆やセミナーなどをされているという方のようです。

タイトルに「男の」とわざわざ付いているように、ビジネスマン視点での資産管理の方法が随所に盛り込まれていて、単なる節約本ではないところが面白いのと、あくまで様々な部分でキャッシュ・フローベースで考えるというのが勉強になりました。

特に考えさせられたのが、「自己投資」についての考え方。
スキルアップやお稽古事やはたまは化粧品から旅行まで、自己投資という言葉は浸透していますが、本来「投資」と呼ぶからには、その先には回収とリターンがあるはずです。
でもこれって案外見落としがちで、且つ何のリターンもなくても自分としては納得したし、満足したしOKかな…と思っている人が多いと思います。

でもそれって、自己投資じゃなくて「自己消費」ですよ…ということ。

ヒューマンスキル育成系のトレーニングに行くと、この手の自己消費が好きな人にたくさん会います。コーチングの研修なんかに出ると、本当にわんさかと…(笑)
で、他の受講生と競うように、A社のトレーニングは行く価値があるとか、B社のセミナーはさらに素晴らしいとか、情報交換…というか、私にはちょっとひねくれた自慢話に聞こえてしまうような、「オレって意識高いから〜、当然そういうのももう勉強しているわけよ…!」というケースが多いのです。でも、その結果、あなたのビジネスうまくいっているの?というと、

「……」

みたいなケースが…。
投資回収が全く行われていないようなんですよねぇ。

資格取得もこういうの多いですけどね。
ちなみに私は外資系勤務の時は資格のマーケティングを本業でやっていましたから、どうやったらこの手のビジネスで儲けるかのスキームをかなり詳しく知っているため、誰も知らないような資格試験に金をかけるのだけは辞めようと…、というスタンスです。
(これだけ長くコーチングをプロとしてやっていても、コーチングの資格も1つも受験したことありません。いくらなんでも…これについては費用対効果が悪過ぎます。だって、クライアントでコーチングの資格知っている人、ほとんどいないし、それについて資格提供側も一切マーケティングしないんですから…。)

話がずれましたが、「投資」という言葉が「消費」に変わるだけで、出ていく金額は同じですが、だいぶイメージ違うでしょう?

細かい節約ノウハウがたくさん出ている本ではありませんが(一部ありますが、それはまぁわりと皆さん既にご存知のことが多いかな…と思います)、こういう大きな視点でお金の使い方を再考するの良い本だと思います。

周囲を見ていて、高給取りのサラリーマンがよく陥りがちなのが、生活レベルを上げちゃうことですが、この本にはその話も非常に説得力あふれる文章で綴られています。
この手の人達は、常に高給を取らなくてはならないので、ワーカホリックになりやすく、且つほとんど自分の好きな仕事が選べなくなっていきます。
特に大きいのが、車、住居、教育費…ですね。周囲の目が気になるので下げにくいものですから、最初から上げないのがやっぱりベストのソリューションのようです。
全くその通りだと思います。



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    2014.08.21

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