「コーチ、大変なことに気がつきました」開口一番、Jさんは仰いました。
Jさんは、さるメーカーの工場長されていていつもとてもお忙しい毎日を送っていらっしゃる方です。
Jさんのコーチングのテーマは「タイム・マネジメント」。
効率の良いタイムマネジメントをすることによって、家族と過ごす時間を増やすというのが目的でした。
コーチングを始めて2ヶ月目の5回目のセッションでのことです。
タイム・マネジメントについては、順調にいっていただけにコーチとしての私もビックリ?一体どうしたことかと慌てて聴いてみると・・・・
タイム・マネジメントの成果があがり、徐々に残業や休日出勤が減ってきました。
ところがその空いた時間を本来の目的である「家族と過ごす」ということに、全然使っていないということにJさんは気がついたのです。
これがJさんのいう「大変なこと」でした。
家族と過ごすさずに、何をしているかと言えば、今やらなくても良い事、優先順位の低いことばかり、例えば行く予定もないゴルフのクラブを磨いてみたり、まっすぐ帰れば良いのにちょっとあちこちのお店に寄り道をしたり・・・・。
「本当にやりたいことは家族と過ごすことのはずななのに、これじゃ家族と過ごすのを避けているかのような気がしてきました」
私にもこういう経験があるなということにJさんの話を聴いて気がつきました。
例えば、私は大学で法律の勉強をしているのですが、働きながらの勉強のため、いつも時間がないことを嘆いていて、もっと勉強時間を捻出しなくちゃと思っていますが、いざ時間が空いても中々それに取り組まずそれ以外のことにばかり時間を費やしてしまいます。
「Jさん、すごいですね。そういうことに自分で気がつくなんてすごいことですよ。私も同じ事をたくさん経験していますが、Jさんの話を聴くまで全然気がつきませんでした」と言うと、「やりたいことに取り組むって難しいことなのかもしれませんね」とポツリと仰られたのが印象に残ります。
本当にやりたいことがあるのに、その気持ちは本当なのにどうにも取り組めないのはなぜか。
何を恐れているのか?
その日はJさんにじっくりそのことについて話してもらい、Jさんは気持ちの整理をされたようで、翌週にはまた素晴らしい報告をうかがうことができました。
皆さんにも同じようなことってありませんか?
時間があったら取り組もうと思っているのに、時間のあるときに取り組まないことは何ですか?
一度じっくりそれについて考えてみると新たな気づきと発見が得られると思います。
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