Wさんは長年、コールセンターやサポートセンターのスーパーバイザーとしてたくさんのサポートスタッフをまとめてきました。
スタッフをまとめる能力も高い上に、オペレーション・マネジメント能力も高く、某外資系IT企業のサポート・センターのマネージャーへの転職に成功しました。
転職当初は非常に張り切っていたWさんですが、しばらくすると表情が暗くなることが多くなりました。
表情の暗さの原因は英語にありました。
Wさんは、英語があまり得意ではなく入社面接時にもその旨はきちんと説明し、特に問題ないとのことで採用されたのですが、中に入ってみるとやはり英語ができないと不便なことが多い。
何よりも、自分のスタッフが英語ができない自分を認めていないのでは・・・・、と気になって仕方がないのです。
会話の最初にもいつも「私は英語ができないマネージャーです」とつい、自虐的とも言える一言を付け加えてしまいます。
こんなときコーチングではどのような対応を採るのでしょうか?
これはクライアントの方の性格にあわせていくつかやり方がありますが、私の場合はまずは事実認識から始めると思います。
まず以下のようなことを洗い出して、ひとまず現状をクリアにします
・英語ができない・・・というのはどうできないのか?
・Wさんの思う英語ができるというのは、どういうレベルなのか?
・職場で必要とされる英語のレベルはどのようなものなのか?
・現在の英語力で問題になっているのは何なのか?具体的にどんな不利益があるのか?
・その他・・・・・
現状把握をしたその上で、「じゃぁ、どうする?」という次のステップに入ります。
(実際のコーチングでは現状把握のセッションをしているうちに、クライアント自身が「ああ、まずはそこが優先順位の1位だな…」というような次の行動が、自ずと自分が話していく中から見えてくるケースが多いです)
いくら英語ができないと嘆いていても、英語は絶対にできるようになりません。
自身が英語ができないというのも、恐らく事実なのでしょう。
じゃぁ、自分の置かれた現状を認めた上で次にどうするか・・・・が大切なのです。
英語の力をつけるのか?
それとも本来、会社は英語力ではなくWさんのマネジメント能力に期待しているのであるから、そちらに重点を置いて英語はできるスタッフを活用する等の手を打つのか?
このようにして頭を切り替えていくことが大事だと思います。
先日読んだ「上機嫌の作法」という斎藤孝さんの本では、これを「ふっきり力」と名付けていました。
『現実をはっきり認めて、事実に対して終結宣言をし、ひとつの事実として確定、肯定し、次に行く』と斎藤さんは書いており、このような宣言を「断言力」と読んでいます。
事実に直面するのは、本人にはかなりきついことでもあり、厳しいことでもあると思います。
でも、もしもその事実の中から抜け出したいと思うなら、ぜひ一度自分の現状を見つめる時間を取ってみてください。
次に進む扉がきっと見えてくるはずです。
Ichiroともうします。アメリカ外資系でマーケットリサーチマネージャーをしています。
英語はいつも頭痛いです。私のTOEICは800点レベルですが、仕事の要求レベルは900点レベルです。キツイです。でも、悩みません。
なぜかっというと、日本で住んでいて800点維持するのすら、大変なんですよ。900点レベルにふれつつ、なんとか、毎日をしのいでいる、というの本音です。
できない、と認めてから,じゃ、実力をあげるためにがんばろうーと、思うことが大切ではないでしょうか? 要は今まで,ちゃーんとべんきょうしなかったから、いまから、死に物狂いでやろうよ、ということじゃないでしょうか?
Ichiroさん、はじめまして。
できないと認めた後に、頑張れる人、それでもまだ躊躇してしまう人、本当に色々です。
Ichiroさんのように頑張れる人が、ここいうふっきり力のある人ですね。