「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。

昨年から、ぼつぼつと料理をするようになった。
当初はお弁当作りから始まり、その後全面的に料理担当だった夫と別居、離婚となり、真面目に御飯を作るようになった。

3食作るようになると、よくわかるのが調理済み商品というのは非常に高コストだということ。
何しろ、調理してあるのだから、他の用途には使えない。
当初、お弁当作りには冷凍食品の唐揚げなどを入れていたが、よく考えると鶏肉を自分で買って作ったほうが全然安いし、余れば他の調理にも使える。

ということで、時間の余裕もあるので、何でも素材そのものを買うようになった。
そうこうしているうちに、食材の値段がわかるようになってきた。

そうなると、外の食事の素材の値段もだんだん見えてくる。立地、店舗の外装、内装にかかる費用、人件費、場合によっては宣伝費を考えると、外食というのはかなりの金額を払わないと素材のいいものなど食べられるわけがないのだ。
それなりに安い値段でお店がやっていけているとすれば、食材の仕入れ値段をおさえている可能性は相当高いはず。

というようなことを、考えるようになった頃に読んだ本が「「外食の裏側を見抜く」プロの全スキル、教えます。」である。

食品業界のプロが書いたこの本は、本当に面白い。
日頃、食について密かに抱いていた疑問がページをめくるたびに解き明かされていく。

例えば、輸入野菜がすごく増えていると騒がれているが、スーパーに買い物に行けば、そこに書かれている産地はほとんどが国内である。では、どこで使われているのか?
そう、それはお惣菜はじめとした調理済み商品と外食に使われているのだ。

どうして、外食の食事はあんなに味が濃いのだろうか?と思ったことはないだろうか?
私は、糖質制限ダイエットをやってみようかと思った時に感じたのだが、外食はお米か酒が一緒にないと、おかずだけでは、とても味が濃くて喉を通らない。
これは、たくさんお米やお酒をとらせるため?かとも思ったが、何のことはない、保存期間を長くするため、それから素材そのものがよくないので、味を濃くして素材がおいしくないことをごまかしているのだそうだ。
言われてみれば、そりゃそうだ。

一番の問題点は、お惣菜やレストランは、色んなものを混ぜても表示義務がないので、何が含まれているかさっぱりわからないということのようだ。
むしろコンビニのお弁当などは表示義務が厳しいのでそちらのほうが安心かも。

自分で作るようになってくると、外食は基本的に自宅で作れないものを好むようになってきた。
鮨、焼き肉、フレンチなどなど。

私はもともと食品添加物とか有機野菜などに無頓着な方だと思う。
今はたまたま有機野菜のセットを宅配で届けてもらっているが、これは有機野菜が欲しいというよりも、野菜を買いに行くのが重いこと、自分で選ぶと自分の好きな素材ばかりになってしまって、レパートリーが広がらないことが大きな理由。
スーパーではほとんど海外産の肉と野菜は買わない。
とは言え、ジャンクフードやインスタント食品は好きだし、実際仕事が遅い日などはかなり口にしていると思う。
だからそんなに、うるさいほうではないつもりだが、さすがにこの本を読めば、ハンバーグなどはちょっと外食したくないなぁと思う。

時々、お子さんが小さくて子どもの食べるものにすごく気を使っているお母さんがいるが、外食には寛大なのは逆にびっくりする。
外食と言っても、まともなレストランだから…ということだろうが、一度でも飲食店で働いたことのある人なら、かなり色んな面で厨房はルーズだということを知っているはずだ。
本当に気を使うなら、外食こそやめたほうが良いと個人的には思う。

本当においしくて栄養のあるものを食べようと思ったら、大枚はたくか。自炊しかないんだなぁとよく分かる本。

本の話に戻ると、様々な有名チェーン店に行って食事をする覆面レポートは特に面白い。あ、きっとあのお店だな?とわかるものも結構あった。
どこから読んでも面白い本で、食に興味がある人なら、外食が好きな人もそうじゃない人にも楽しめる本だと思う。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

  1. NO IMAGE
  2. books
  3. NO IMAGE
  4. NO IMAGE
  5. books

コメント

コメントをお待ちしております

HTMLタグはご利用いただけません。