[フォトリーディング STEP 2:予習]
(1)本(または文書)全体をざっと見渡します。
(2)自分の目的に見合う価値があるかどうかを見極めます。
(3)読み進めるかどうかを決定し、先に進むための目的を決めます。
<大事な事前作業>
STEP2における大事な事前作業は、STEP1で行った準備から間をおかず、一息で進めることです。
<STEP2 予習(Preview)>
STEP2 「予習」は英語でPreviewと呼んでいる作業です。
このステップの目的は、この本を読むことは、自分にとって本当に役立つかを検討し、この本から何を引っ張り出すべきかを決定することです。
今の自分のレベルでこの本から自分の目的に関して何が得られるか?
この本はどんなタイプの本か?
自分の目的(動機)に適した本か?
このステップで「自分の期待値を明確化」します。
<どこに目を通すか?>
主に目を通す箇所は以下のとおりです。
・表紙、裏表紙
・本の帯(ついていれば)
・著者についての解説
・目次
・まえがき
・あとがき
・解説
<このSTEPでの注意事項>
ここはあくまでサラリと流すように行います。上記に挙げた箇所もあまりじっくり読み込まないでおきます。
本文には基本的に目を通しません。
読み込んでしまうとフォトリードを阻害することになります。
「予習は表面的な情報に留めます。研究によると、予習をする時間が長くなると、情報は短期記憶の中に貯蔵されてしまいます。すると、フォトリーディングをした際、脳が予習の際に送り込まれた、(容量の少ない)意識上の領域における情報処理を優先してしまい、より大容量である無意識の領域での情報処理がうまくいかなくなってしまいます。」
厚い本でも、この作業は2分以内に終わらせる。文書の場合は、見出しや太字部分のみとなりますので、本当に一瞬です。
この作業を終えて、まずは自分はこの本を読むか読まないかを決めます。
人の持っている時間は有限です。
出版不況と言われる一方で、本は毎日ものすごい勢いで出版されています。本だけではありません。文書やインターネットなど読まなくてはならない活字は膨大に日々生まれています。
その中で何を読み、何を読まないかを決めるのは非常に重要なことです。
このフォトリーディングの記事を読んでくださっている方は、おそらくですが私同様に活字を読むことが好きであったり、または大量の情報をインプットする必要が処理する必要があり、フォトリーディングについて興味をもち、この記事を読んでくださっているのではないかと思います。
だとすれば、尚更読むべきものの取捨選択は重要のはず。
元外交官であり、幅広い教養と知識を持ち、政治、歴史、地政学、宗教、その他多くのジャンルで本を出版されている作家の佐藤優氏は、著書「読書の技法」の中で速読の重要性について述べています。
ここで述べられている速読は、フォトリーディングを明確に指しているわけではありませんが、なぜ速読が必要か?という点については、私がフォトリーディングを学んで感じたことと、同じことが書かれていました。
標準的なビジネスパーソンの場合、新規語学の勉強に取り組む必要がなく、「ものすごく時間がかかる本」がないという条件下で、熟読できる本の数は新書を含め1ヶ月に6〜10冊程度だろう。つまり、最大月10冊読んだとしても1年間で120冊、30年間で3600冊にすぎない。
3600冊というと大きな数のように見えるが、中学校の図書室でもそれくらいの数の蔵書がある。人間が一生の間に読むことができる本の数はたいしてないのである。この熟読する本をいかに絞り込むかということが読書術の要諦なのである。
数ある本の中から、真に読むに値する本を選び出す作業の過程で速読術が必要とされるのだ。速読の第一の目的は、読まなくてもよい本を外にはじき出すことである。
佐藤優「読書の技法」より引用(P51)
フォトリーディングの大きなメリットは、読むべき本、読まずに済ませる本を明確に切り分けられることだと思います。そして、後に述べますがフォトリーディングを使うと、読まずに済ませた本についても、後悔なく処分することができるのです。
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