日本を代表する53名のトップクリエイターが、広告の奥義を教えてくれる本。
平易で読み易い文章が多いが、その奥は深い。
仕事で冊子やらリーフレット、はたまたはWebでのプロモーションなどに携わっていると自分が直接コピーを書く仕事ではないが、業者が作ってきたものに対して、「なんか違う。ピンとこない」と思うことはしょっちゅうである。
「なんか違う。ピンとこない」じゃぁ、業者にも伝わらない(本当は、それを何とかするのが業者だろう!・・・・怒鳴りつけたい気分もあるのだが)
それで最近は自分でも、この「なんか違う」をもうちょっと言葉にできないかな・・・と思って、時々このような本を読んでいる。
そもそもコピーライターとはなんだろう。土屋耕一氏は以下のように語る。
「ああ、これで勝負あった」
と、戦いを決定的にする言葉を作り出す職業である。ひとつの商品なり、ブランドなりが、競合する相手とせり合いながら、それはよく戦いにたとえられるけれど、その戦いを一つの言葉で「勝負あった」にさせることができたらどんなに痛快だろうと思う。
コピーライターとはその痛快を生み出してみせる係なのである。」
コピーを書く際のコツは、誰かの真似をするのではなく、自分自身のコピーを書くことというのが、何度も出てくる。
たとえば、女子高生向けの商品の広告を出す場合には、
あなたが女子高生の気持ちを想像するのではなく、なたの中の女子高生を探すのです
うーむ、なるほど・・・・とは思うものの、これはやっぱりかなり訓練が必要だなと思う。
「どう言うか」より「何を言うか」が大切だとういう事は、コピーだけでなく広告の本質を言い当てているとつくづく感じる
本当についつい、マーケティングと言うと、「どう言うか」に主眼が行きがち、そもそも「何をいうか」について、きちんと決まっていないキャンペーンというのは、案外多いものだ。(自戒を込めて書くと・・・・)
基本から実務までを様々なクリエイターを通して、語られる広告の世界はやっぱりどこかで華やかで、でも仕事の基礎みたいな部分はみんな一緒なのだな・・・・と教えてくれる。
巻末に古今のコピー集が掲載されているのも嬉しい。
最後にコピー集から私の好きなコピーをピックアップした。
何となく傾向が似ているな・・・と我ながら思う。
・今までのことはなかったことにしようっと。 (西武百貨店)
・うらやましいぞ!!Jリーグ (としまえん)
・おいしい生活。 (西武百貨店)
・大人は、とっても長いから。 (JR東日本)
・恋を何年、休んでますか。 (伊勢丹)
・このままじゃ、私、可愛いだけだ。 (朝日新聞)
・ほしいものが、ほしいわ。 (西武百貨店)
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