4月に結婚してから、結婚について質問されることが増えた気がする。
特に多いのが、若い人たちから「どうして入籍したのですか?」と聞かれることだ。仕事上の知り合いから、コーチングのクライアントさんまで主に20代後半から30代の未婚の方、離婚経験者が多い。
ニュアンスとしては、「(今さら、その歳になって、しかも離婚経験もあって)どうして入籍したのですか?」という風に聞こえる。そう聞こえたからといって、別に気を悪くすることはない、まぁそう思うだろうな‥と思う。
40代後半の私達だから年齢的にも子供をこれから持つ可能性はない。
若い人たちの入籍の大きなきっかけの一つは、子供をもつことをどうするか?ということだから、子供を持つ可能性もなく、なぜ入籍?と疑問を持つのはわかる気がする。
離婚経験者の場合は、結婚と同棲の大きな違いは「相手の親族ももれなく付いてくる」のをよくわかっていて、多かれ少なかれ面倒な思いをしているので、入籍はしたくない‥という人も多い。これもよくわかる。
私も一回目に離婚をしたときは、親族関係が面倒だったのでもう入籍するのは嫌だな‥と思っていた。
今回の私達の場合、入籍にいたった理由は私が癌の検査に引っかかり、どこかのタイミングで手術を受けることはほぼ間違いない‥ということがわかったためだ。
いずれは入籍という話は、前々から出ていたが時期は特に決まっていなかった。
少し話がずれるが、私は人と暮らすのがあまり向いているほうだと思っていない。
体力不足からくる疲れと、根性が足りないことからくる疲れで、外面が言い分、自宅に戻ると機嫌の悪いこともしばしばだし、何より人がいることでイライラすることも多い。
具合が悪いときや弱っているときに、一人でいるのは辛いので結婚したい‥という話もよく聞くが、私はそういうときに誰にも話しかけられたなく、関わられたくない、見られたくない‥というタイプなので、むしろそいうときにこそ、一人になりたいというタイプだ。
うまく言えないのだが、入籍するというのは相手の家族と親戚関係になり、世間的にも一つの世帯という単位で見られるということで、私からすると好きな相手と一緒に暮らせるというリターンの大きさよりも、リスクの大きさのほうが大きいように思う。
逆にそういうリスクをとってまで、入籍することを決めるぐらいであれば、人と暮らすのは苦手だけれど、まぁ相手もリスク込みでそこまで一緒にいる気があるなら、私も頑張って一緒に暮らしてみましょう‥という気になる。
相手がそこまでのリスクを追う気もないのであれば、申し訳ありませんが一緒に暮らすのはご勘弁‥、まぁ週末泊まりに行ったり来たりぐらいで手を打ってください‥というのが私の思うところ。
そんな考えの持ち主だから、一緒に暮らしたいという話になれば、入籍の話もセットで出てきていた。
けれど、実際にそこに至ったのは前述の健康問題があったからだ。
手術があるときに何かの際の輸血の承認とかもできないだろうし、そもそも双方がそれぞれどこかで事故にあったり、倒れたりしても、緊急連絡先は実家か子どもたちになるだろう‥といのもあり、まぁ、年齢的にもだんだん不調もあれこれ出てくるということで、この機会に入れることにした。
多分、若いうちは子供がきっかけで、歳を取ると健康問題がきっかけというのは結構あるんじゃないかな‥と思っている。
入籍しても特に何が変わったわけではないけれど、夫婦という単位で一括りに扱うことができるというのは、外から見るとやっぱり扱いが便利なんだろうな‥と思うことが多い。手続き関係もあれこれ面倒がないし、親や親戚も冠婚葬祭の際に、同棲相手だと呼ぶべきなのか?呼ばないべきなのか?みたいな逡巡もない。
あとは個人的によかったな‥と思うことは、お金の話がしやすくなった。
単なる同居人とお金の話というのは、私にとってはなかなかし難いものだ。「いや、それダメでしょう‥先行き困るでしょう」と思っても、「まぁでも、私が口出すことでもないか…、他人だしな‥」となってしまう。
同棲相手ともバンバンこういう話をしているという人も多いだろうが、どうも私は1回目の結婚で、金にまつわる喧嘩が多かったこともあり、男女の関係で金の話で喧嘩をするというのが本当に嫌いだ。
だから、入籍もしていないの相手にわざわざお金の話をする気になれないのだ。
親戚関係がくっついてくるのが面倒くさい、名字をどちらも変えたくない、その他ポリシーとして結婚という形を取りたくない‥という人は結構いるし、気持ちもわかるので、それでも結婚したほうがいい‥というようなことは少しも思わない
自分の中に結婚しない理由があるなら、結婚しない形を取るのがいいのだろうと思う。
そもそも、結婚がいいものだと根本的には私は思っていないし、悪いものだとも思わない。
単純な形式の問題だと思う。
ただ、よく若いカップルで「どっちでもいいんで、同棲はしているけれど結婚していない」というのを聞くと、「どっちでもいいなら、結婚したら?」ぐらいには思う。
それは単純に親や親族は安心するだろうし、法律の整備の問題などを含めて、社会的に面倒が少なくなるからという理由だけだ。
思い返してみれば、1回目の結婚・離婚で懲りて、2回目は一緒に暮らしていたが結婚はなんとなく保留になっていたが、子供の名字の問題やらもあったのと、その当時は二人目の話も少しは出ていたので、いずれは‥という感じだったが、最終的なきっかけは婚約者として応募した公団住宅に当たったから‥というものだった。
そして、3回目は相手の経済問題で一緒に暮らしはじめ、最終的なきっかけは私の健康問題。
どうにもロマンティックには聞こえないが、どんな理由やきっかけでも、仲良く暮らせればいいことだから、まぁ、そういうのもいいんじゃないかな‥と思っている。
結婚というのは、幸せになるためにするものではないということを、内田樹先生は「困難な結婚」という本に書かれていた。
人生の先輩は、「結婚生活というのは『修行』だ」とおっしゃっていた。
私も、お二人の意見に同意だ。
だから、結婚を人に勧めて回るようなこともできないし、結婚しないことを勧めることもできないといのが正直なところなのだ。
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