第2回読書会(サードプレイス)開催報告 「居るのはつらいよ」編

第二回目の読書会は、東京都現代美術館で開催されました。

前回から引き続き参加いただいた方に、今回から新しく参加された方も4名加わっていただきとても楽しい会となりました。
少しずつ人数が増えてくるのが、会の趣旨とも合っているような気がします。

今回取り上げた課題本「居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書」はストーリー仕立てで読みやすいとはいえ、専門書であり、本としてそれなりの文章もボリュームもあり、さらには紙の書籍しかないため(厳密に言うと、あまりメジャーではない形式の電子書籍があります)受け入れられるかな?という危惧が主催者としてはありました。

実際に皆さんの話を聞いてみると、
「知らない世界を知ることができて面白かった」
「この出版社の本を初めて読みました」
「読書会がなければ、まず知ることのできない本でした」

というような好意的な感想を多くいただきました。

”私自身の仕事や生活では直接関わった事の無い、精神科のデイケアを舞台にした学術書にも関わらず、笑いありしんみりストーリーもあり、気づきや共感する点も沢山ありで、読み応えある作品でした。今まで漠然としていた居るのがつらい、のが何なのか、本書を読んで腑に落ちました”

”セラピーと介護のお話かと思いながら読み進めていましたが、自分の居場所や自分以外の人々との関係の築き方を見させていただいたように思います”

アンケートの回答より

また、電子書籍ばかり読んでいたので、「紙の書籍の良さを改めて認識した」「子供が興味をもってこの本を読み始めた」というようなご意見もあり、家族でお互いにどんな本を読んでいるかって電子書籍だとわからないよね、そういえば…と、私自身も気づきました。

読書会サードプレイスの狙いでもあるのですが、本の感想を話し合うだけではなく、本を媒介にして、自身の経験や日々思っていることなどを語る‥というのが今回はとてもうまくいったのではないかと思います。
これは、この本がいわゆる「人をお世話する」という内容であり、そのお世話に方法がケアとセラピーでは異なってくるというものだからでもあるのではないかと思います。

本の感想について、当然ですが一人一人が異なっており、そこから考える結論が違うという読書会ならでは面白さが見える場面も多々ありました。

個人的には、介護施設とアートについて、ご自身の体験から語ってくださった方のお話やこの本に出てくる「こらだ」についての活発な意見が印象深かったです。

私自身は、「居る」って、そこが生産的かどうかというよりも、時間・空間・それからそこで起きた出来事を共有することってことなんだなぁ‥と、この本を読んであらためて思いました。
出来事って言ってもそんなたいしたことじゃなくて、季節とか突然のにわか雨とか、つまらない冗談とか誰かの口癖とか、そういう些細なこと。
同じことを体験したり、同じ記憶をもっていたり、という些細位なことの共有って親密感や信頼関係を醸成するのにかなり重要だと思うのです。
モバイルワークの難しさって、実はこの辺りにあるのかも…って、ちょっと発想が飛躍しました。

今回は、終了後に流れで参加者の大半の方々がそのまま飲み会に突入。
本の話は、ほどほどで。
読書会の中で、出てきたそれぞれの体験について、お互いに質問しあったり、読書以外の趣味の話などで盛り上がりました。

次回は、2019年11月23日(土)場所は同じく東京都現代美術館で午後の開催を予定しています。
第三回の予定の本は「Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法」

詳細はまた別途こちらのブログで、お知らせしていきます。

←本の話に入る前のアイスブレイクの風景。

会の最初は、簡単なアイスブレイクから始まります。
この日は、他己紹介。
ペアの方の紹介を行っていただきました。
新しく参加された方や久しぶりに参加された方も、スムーズに溶け込めるようにするには‥と、毎回アイスブレイクの内容には頭を悩ませています。

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