越してきた家にはなんだかやたらに窓がある。
見に来たときに、カーテンやブラインドが残っていて不動産屋さんから「撤去しますか?」と聞かれたが、これを全部自分で用意するのは結構な手間なので、とりあえず、残置物として残してもらうことにした。
よくわからないのだけれど、多分この家は建売で販売された時にカーテンレールがついていなかったのではないかと思う。
1階の2部屋には、それぞれブラインドが掛かっている。
多少、曲がっている部分などもあるのだけれど、そこはもう見ないふりをすることにしてそのまま。
2階のリビングの大きな窓は、無地の生成りのカーテンでかなり面積が大きなもの。
シンプルだし、ここを替えるとなると結構な額になるだろうからこれはそのまま。
キッチンとリビングに上げ下げ窓があるのだが、ここがカーテンレールをつけるのが面倒になったのか突っ張り棒にレースのカフェカーテンになっている。
このカフェカーテンが、窓に対して5分2ぐらいしかない。
窓の向こうは隣家の屋根と壁だから私は気にならないのだが、神経質な夫は気になってしょうがない‥というので、レールはそのまま突っ張り棒にするにしても、窓全体を覆える長さのカーテンを用意するほうが良さそうだ。
一番ややこしいのが、寝室に使っている部屋でどういう趣味なのか?というカーテンが掛かっている。
ここには、縦長の窓がまず2つある。
この窓の下半分は開かす、ステンドグラス風の窓用フィルムみたいなものが貼られている。
上半分は上げ下げ窓。
1つは突っ張り棒で、無地のベージュの生地が掛けてある。
多分、西側の光が眩しかったのだろう、これはステンドグラス風のフィルムのところまで全部隠れる長さになっている。
隣に全く同じタイプの窓が並んでいて、ここは更に面倒になったのか、白地に薄紫や黄緑の大きなペイズリー柄が描かれた布がピンで止められている。
隣のカーテンと全く合わないし、どちらのカーテンも全くステンドグラス風のフィルムと合わない。
まぁ、このフィルムは隠されているので良いのかもしれないけれど。
そして極めつけは、大きめの引き出し窓に無地の薄紫のカーテン。
これがもうなんと表現すべきか、とにかく嫌な色なのである。
布地も厚みがあるのだけれど、変に安っぽくて、これ何に使う布なんだろう?
厚みがなければ、洋服の裏地ぐらいではないだろうか‥
このカーテンはカーテンとして仕立てられてるものを購入したもののようだが、ここの窓も突っ張り棒でそこにプラスチックの輪っかが掛かっていて、カーテンフックをこの輪っかに通しているようだ。
こんなものが存在するとは知らなかったけれど、ネットで見ると多分この商品と同じタイプのような気がする。
ということで、我が家の寝室のカーテンは、ベージュの無地、ペイズリー柄、薄紫と全く調和が取れておらず、まぁ、どこのカーテンもご近所の家からはそう見えるものではないのだけれど、落ち着かないことこの上ない部屋なのだ。
カフェカーテンと紫のカーテンは、よく見てみると洗濯表示のタグなどもついていてどうやら既製品のようだ。
以前の家なら、錦糸町オリナスのニトリ直行案件であるが、逗子にはニトリなんてない…。
突っ張り棒に掛かっているだけなら、適当な布を買ってきて自分で何とかできるのでは?と思い、以前から気になっていた鎌倉にあるスワニーさんに行ってみた。
いやもう、とにかくたくさんの生地があって、全部で3階まであるようだけれど、1階だけでお腹いっぱい。
そもそも私は手芸とか全くしない人で、娘の保育園などで作らなくてはならない袋物などもすべて、高いバイト代を払って妹に作ってもらっていたぐらいだ。
ミシンも持っていないし、自分で本当にできるかよくわからないので、まずは一番サイズの小さい、キッチンとリビングの長さの足りないカフェカーテンからやってみることに。
スワニーさんで既に切ってあるものでサイズも色もちょうど良さそうなプリント柄があったので、そちらを購入。
買ってきてから気づいたけれど、プリント柄って裏が白なんだな‥カーテンって外から見たら、柄って見えないんだったっけ?外から見えること考えなくていいのかしら?と思いつつ、見切り発車で進めることにする。
ニトリがなければ通販で買えばいいのだろうけれど(それこそニトリのオンラインショップもあるだろうし)、こうしてとりあえず作ってみるか‥と思うようになったのは、逗子に来てスローライフやら丁寧な暮らしになったから‥なんてことはまったくない。
自分で作ろうという発想は通っている美大の影響だ。
美大に行くようになってから、何でも「それ、自分で作れるのでは?」とまず考えるようになった。
先日、玄関にとりあえずの表札を作ったのもそれ。
自分で素材を決めて用意して、どう作るか考えて実際に作ってみるということばかりやっていると、私のように不器用やセンスの無さを理由に何でも買って済ませる性格も変わってくるらしい。
で、日常でこうやって布を選んで見え方を考えるのは、これがまた大学の勉強にものすごく繋がってくるだろうというのがわかる。
ちょっとした習い事のモノづくり教室やデザインの短期スクールだとここまで、自分の内面が変化することはないんじゃないかな‥。
自分の想定していなかった範囲、それって必要なの?という範囲まで、体系的に学ぶ大学ってそういう意味でスゴイな‥と思う。
美大に限らず、そういえば法学部もそうだった。
週末は、次はどこの大学の通信教育過程に紛れ込むかでも妄想しながら、チクチクカーテンを縫うことになりそうだ。
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