気力に頼らず、仕組みに頼る ~お薬カレンダー~

少し前に、お薬カレンダーなるものをAmazonで購入した。

自分が服用しなくてはならない薬を日毎、時間帯ごとにポケットに入れておいて飲み忘れを防ぐものだ。

私が忘れてはいけない薬は以下の通り

・幼少期からの持病の薬
・舌下免疫療法の薬(スギ花粉)
・気圧の変動による頭痛を予防する漢方
・緑内障目薬

絶対に忘れてはダメというのは、スギ花粉の薬と目薬。

お薬カレンダー購入前は、毎日飲もうと決めていても、結構忘れがちだった。

ややこしいのが、スギ花粉の薬で、この薬は服用後10分は何も口に入れてはいけない‥というのと、その後しばらくはお風呂に入ってはいけない‥という注意がある。

流れ的に、朝食→歯磨き→薬→お風呂‥というパターンがわりと多くて、このときにスギ花粉の薬だけ入浴後に飲むと決めて…飲み忘れる。
さらに飲んだかどうか忘れる‥というのも結構よくある。

薬のシートに日付をマジックで書いて、少し改善されたけれど、薬のポーチに入れてあるので、翌朝気づいて、「あ、昨日飲み忘れた…」となることも、しばしば。

もう一つややこしいのが、緑内障の目薬で、これはコンタクトレンズを外した後、寝る前に注さなくてはならない。

酔っ払っていると忘れがちだし、さらにこの目薬、目の回りに色素沈着が起こりやすく、注した後には必ず石鹸(洗顔料)で目の回りを洗わなくてはならない‥というやや面倒くさいもので、億劫だな‥と思ってそのまま忘れることしばしば。

どちらの問題も、お薬カレンダーを洗面所に取り付けたことで解決した。

もっと早く買えば良かった‥という買い物だった。

解決してみると、この薬の服用については、結構自分のなかでストレスだったんだな‥と気がついた。私はしょっちゅう、「あれ?今日薬のんだっけ?」と何度も思い返していたようで、エネルギーと注意力を使っていたことも解決してみるとわかる。

コーチングをしていて、クライアントさんと課題解決や目標達成のためにこれから何をするかを決める時には、できるだけ気力とかモチベーションとかに頼らない方法(仕組み)を一緒に見つけようと心がけている。

あるクライアントさんは、片付けができない‥というのが悩みだった。

話を聞いてみると彼女はかなり忙しい業界に勤めていて、深夜帰宅が多く、帰ってきて洋服を脱ぎ散らかしてしまって、それを翌朝その洋服の残骸たちを見ると、ますます気持ちが疲れてしまって気力が低下して、エネルギーがわかず、家事も片付けも停滞し、どんどん家を散らかしてしまう‥という話だった。

自分の部屋を思い浮かべていただいて、特に気になるものは何かをたずねたら、セッションが冬だったこともあって、嵩張るコートがすぐに目に浮かぶということだった。

2人で話し合って、玄関にコート掛けを設置することにした。彼女はとっさの来訪者(宅配業者やご近所の方など)のために、玄関だけはきれいに整えているということだったので、コート掛けを設置するのスペースもあったのも幸いした。

このコート掛けの設置から、驚くスピードが片付けができるようになった。
帰ってきて、コート掛けにコートを引っ掛ける、この動作は部屋に入って、椅子の上にコートを脱いでおくよりやってみるとラクだったそうだ。

自分でもよくわからない‥と言っていたけれど、コートをコート掛けに掛けると、なぜかジャケットは部屋のクローゼットハンガーに掛けられるようになった‥とのこと。

コートを掛けるという1つの動作をしたことで、次の動作も面倒でなくなったのか、行動の流れができたのか、真相はよくわからないし、わからなくても良いと思うのだが、この方にはこのやり方がとてもあっていて、課題が解決された。

自分にうまくハマる仕組みができると、少ししかエネルギーを使わずに自分をうまく動かすことができる。未使用のエネルギーは他のところに回すことができる。
うまく動けるとストレスが減ると良いことばかり。
私のお薬カレンダーの話もそうだけれど、ストレスの源が実はかなり小さいことだったりすることはよくある。

「毎日XXXをしよう!」「これからはXXXをちゃんとしよう!」と決めては続かず、自分への信頼残高が減ってしまい、自分を責めてしまう人はたくさんいる。

自分を責めてますます自分を落ち込ませる必要なんてない。まだ自分に合う仕組みが見つかっていないだけだから。

気力とかモチベーションはそんなに信頼できるものではないというのをまずは、頭の念頭において、自分にあう仕組みを考えてみてほしい。

他の人はうまくいったのに‥と気にする必要はない。自分に合う仕組みはきっとそれ以外にあるはず。

エネルギーはやりたくないことに使うよりも、やりたいことに使うのが楽しい毎日のコツだと私は思うのです。

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