逗子日記:二〇二二年十一月 金盞香(きんせんかさく)

4時過ぎ起床。
寒いのか犬はすっかり布団の中に潜り込んでいて、肉球部分しか見えない。
以前飼っていたヨーキー(ちゃむ)もそうだが、今のシュナウザー(くるみ)も自分から布団の中には潜り込まず、必ず布団に入れてくれと訴えてくる。ちゃむは顔をペロペロなめてきて訴え、くるみは私の肩を前足で叩く。
そしてどっちも熱くなると出ていき、また寒くなったから入れろと合図してくる。安眠妨害。

ようやく小指(左第五基節骨へのひび)の固定がハズレて(自己診断ではずしたとも言う)が、キーボードが打てるようになったので、久しぶりにこの日記を書いている。

キーボードが打てない間は、仕事の原稿類は全て手書きで原稿用紙を使って書いていた。ノートに書き出すと文字数がわからないので、原稿用紙を使っていたが、使ってみると結構便利。手書きだと使う言葉や漢字も文体も随分と変わるのも自分のことながら面白かった。

原稿用紙に書いたものは、そのままで渡せないので音声入力していた。音声入力は本当に変換の精度が日々進歩していて驚かされる。勝間和代さんは下原稿なしでいきなり音声入力で書き始めると何かで読んだけれど、私にはとても無理でそんなことをするとかえって時間がかかってしまう。こういうのも慣れの問題ではあると思うけれど。

今日は一日机に向かっていることが多そうなので、久留米絣の着物を身につける。
午前中は、ミーティング用の資料作り。
口頭で伝えるだけだと、やる気ないメンバーだと放置するし、やる気あるメンバーでもリモートワークは齟齬が多すぎて、混乱が生じないように資料作りをしょっちゅうする羽目になるけれど、まぁ作っておけば後々役立つこともあるし、伝言ゲームで混乱しないようにもなる。

オンラインのミーティングやら資料作成であっという間に午前中終了。

お昼はミョウガが残っていたので、梅干しと合わせて和風のパスタに、洗い物をしていたら夫が帰宅してきて、久しぶりに一緒にコーヒーを飲む。
私はそうでもないのだけれど夫が忙しくて外出が多く、一緒にコーヒーを飲む機会も減っている。まぁ、夜はアルコールになるから・・というのもあるんだけれど。

あちこちから水仙の茎(芽?)がにょきにょき出てきたので、邪魔にならないように周囲の雑草を少し刈り取る。草刈りも着物のほうが腰が痛くならないようだ。
虫も少ない時期だし、着物で足首まで覆っているしと油断していたら、あちこち虫に刺されていたことに後から気づく。
腿のあたりまで刺されている。やっぱりこの手のことはちゃんとジャージのような足首がしまっているものを着ないとダメらしい。
暮らしの中には知らないことがまだまだたくさんある。

突然、オンラインで話したいと着信があって、慌てて対応したら割烹着をつけたままだった…。どこの会社も社員はしょっちゅうそういうオンライン通話に対応しているようだが、私は基本決まった時間の打ち合わせしかないので、慌ててしまった。
相手も私の着物姿には慣れているが、割烹着には意表を突かれてかなりビックリしたようだけれど…。
ちなみに普段は汚れの目立たない紺色の割烹着で、お客様が来るときだけ、必要なら白い割烹着を用意している。もちろん、今日は紺の割烹着。

先日、発作的にポチってしまった大好きなナシーム・ニコラス・タレブの「身銭を切れ――「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質」。(まだその前の「反脆弱性――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方」が積ん読になっているのだけれど…)

相変わらずこの人の本は難しくって一読じゃとても理解できないのだけれど、痛快で面白くてたまらなくてグイグイ読まされて、著名人たちの悪口にクスクス笑ってしまう。
難しい難しいと思いながら読ませてしまうって凄いことだと思う。他にこういう作家はちょっと思いつかない。
「まぐれ」も「ブラックスワン」も大好き。この2冊がKindle版がないとは今の今まで知らなかった。(紙の本は手放せなくてちゃんと持っているので、まぁいいんだけれど)

ブログを書かないとこのぐらい硬派な本も読める時間とエネルギー残るんだよなぁと、ブログ休んでいる間にわかった。

アイロン掛けまで片付けたかったけれど、微妙に時間足りず、一日終了。
21時半就寝。

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