逗子日記：二〇二二年一二月鱖魚群 (さけのうおむらがる)

逗子日記：二〇二二年一二月　鱖魚群 (さけのうおむらがる)

4時過ぎに目が覚めて、布団の中でモソモソとスマホをいじる。
普段は寝室にスマホを持ち込むことはないけれど、夫が出張で不在のときは、何かの時のために手元においている。

メールやチャットを確認して特に何もないようだっ。
・・・が、5時になってあれこれ通知が表示されて、おや？となる。
どうやら私もスマホは夜21時〜朝5時までおやすみモードにしているようだ。
だとすると、これって寝室に持ち込んでおいても、緊急連絡がきても届かないってことなのかも。
まぁ、自分が緊急時事にかけるようってことで、いいか（←とにかく、雑なのだ性格が）

わさわさ届いた仕事のチャット眺めて、急ぎでもなんでもないものを23時過ぎに送ってくるというのは、忙しいアピールじゃなくて、一つでも手元にタスクをおいておきたくないという理由なんだろうなと思う。
とはいえ、もう夜も遅く疲れているのでまともに頭を使うものはできないから、チームに投げるだけのような頭を使わないものを投げているんだろう。
こんなの投げてこられる部下も大変だな…と思う。
案の定、頭が回っていないようで、いったいこれで何しろ？というのか・・という内容になっている。

若い頃なら、4時に「あれもこれも決まっていなようですが」とか「これは何をいつまでに返せばいいのでしょうか？」とか、早朝に嫌味（？）を打ち返していただろうな。
こういうマネジメントスタイルはどこかで破綻するだろうが、今は外にいる顧問という立場だから、それを指摘するのは私ではなくて、上司の仕事だ。
何より最近思うのは本人（この場合、上司も含めて）が「失敗する権利」を外から経験値のある初老もとうに過ぎた人間が奪っちゃいけないよな・・思うのだ。

そいえば私が20代の頃、ベンチャーにいたときに、保育園のお迎えで定時帰りし、その後に自宅からメールで仕事をしていて、当時外資系からやってきた上司に叱られた。
今朝のチャットのように、夜中にメールすることもしばしばだった。
取引先からも「いつ寝てるんですか？」とよく聞かれた。忙しいPRがしたいというのはなかった。1990年代はみんな忙しかったから、そんなのやっても消耗戦だった。ただ、子供がいてもちゃんと仕事をしているとPRはしたかったというのは恐らくあったと思う。（現実的に帰宅後も仕事しないと回らないというのもあったけれど）

そして当時の上司に言われた。
「忙しくて片付けたい気持ちはわかるけれど、受け取る側のことも考えなさい。できれば、退社後は仕事をしてほしくないが、どうしてもしたいのなら、メールの下書きをしておくのはかまわないが勤務時間外に送付するのはやめなさい」

当時はセクハラという言葉はあったけれど、まだパワハラなんて言葉はなくて、ベンチャーでは、時間外のメールのやり取りは普通だったので、その場では不満に思ったことを覚えているが（子供いたら、無理なんですよ、そんなの！みたいな）、上司はアメリカの企業から来た人だったから、こういうことがハラスメントにあたるというのをよく理解していたのだと思う。

最近、つくづく思うけれど、上司に恵まれたキャリアだったと思う。よく叱ってもらったし、よく失敗もさせてもらった。

図書館で借りてきた本のタイトルに「ラジオ」が含まれていて、そういえば最近ラジオを聞いていないな・・と思い、朝の台所仕事をしながら周波数を合わせる。
どうも、この家はFMが全く入らないようなので、AMで入ったものをそのまま聞く。登山、山小屋、スキーの話をが聞こえてくる。
CMが入ってこないので、おそらくNHKなんだろう。プロの喋りは耳に心地いい。
リモートワークになって、オンラインセミナーなどを聞くことが増え、素人の喋りって対面じゃないとキツイのね・・と思う場面が増え、尚更そう感じるのかもしれない。

前日作っておいた干しえのきとキャベツのスープを飲んで、常備菜となっているゆで卵を食べて、くるみ（ミニチュア・シュナウザー4歳）とお散歩。
夫がいないと微妙に機嫌が悪いので、ご機嫌取りに披露山へ。
海は嫌いだが、山は大好きで機嫌良く、お尻がウキウキしているのがよくわかるあるきかただ。
午後からお天気崩れるみたいだし、ちょっと運動量多めでちょうどいいでしょう