逗子日記:二〇二四年七月 土潤溽暑 (つちうるおうてむしあつし)

寝室の日めくりをめくると、今日の俳句はこちら

「溽暑なり人形の頭に毛を植うる」 奥坂まや

「溽暑(じょくしょ」という言葉を初めて知る。日めくりの解説によると、溽暑とは暑さの中でも特に湿度を伴う蒸し暑さを言葉らしい。
溽暑という言葉を知らなくても、「暑」という言葉と「人形の頭」という字面だけで、嫌な感じの暑さを十分に表している。

朝食は、ご近所からおすそ分けしてもらった帆立で帆立ごはん。
生の帆立の炊き込みご飯って随分と久しぶりにいただいた気がする。

溜め込んでしまった家計簿をつけなくては…と仕事部屋にこもってせっせと家計簿を。
夫は1階でNotePCを使って調べ物をしているようだ。
夫は仕事を始めるとすごく集中力があるタイプなので、周囲に音がしても気にならない。
私は反対に、周囲の環境にかなり集中力がかなり妨げられるタイプなので、仕事部屋がないと進まないタイプ。

家計簿をつけて、週次レビューをして、そこからそのまま仕事のタスクを片付ける。

ここ数日どうも食欲がわかない。空腹感を感じない‥というのかな。
出されれば食べるが、なければ食べなくても問題ない…という感じで、暑さのせいなのか食事を飛ばしがち。
ふと、このところ私あまり食べていないのでは?と気付き、体重を測ると、あ、これかかりつけのお医者さんに怒られるな‥という体重になっていた。
気をつけて食べなくては…。
睡眠がすごく眠い日と全然眠くない日があって、そのあたりのばらつきも影響しているのかも。
体調が悪いという感じではないのだけれどなぁ。

購入したばかりの「芸術新潮 2024年8月号」 をパラパラとめくる。
定期購読はしておらず、読みたい特集があるときだけ購入している。
今回のお目当ては、今年の3月に亡くなった彫刻家の舟越桂さんの特集。

舟越桂さんの彫刻を知ったのは、天童荒太の「永遠の仔」の表紙だった。
2000年ぐらいに出会ったこの小説は、あまりに夢中になって歩きながら読んでしまい、近所のダイエーの電柱に激突して、思い切り鼻血を出したこととセットになってよく覚えている。

児童養護施設で育った子どもたち、それぞれの持つ暗い親子関係と船越氏の彫刻は、私の中ではピタリと合ってしまい、この人の彫刻を見る度に、小説の暗く重たい空気をセットで思い出す。

以前に船越氏がお子さんに作ったというドールハウスのような遊具をどこかの展覧会で見た。
明るいとは云えない彼の彫刻とはちがって、その温かい光のようなお子さんたちの遊具を見たときには、この人はプライベートでは幸せな人なんだ…となんだか奇妙に安心した。

(そういえば、その昔読んだ吉本ばななのエッセイに、村上春樹のエッセイを読むと、この人はしょっちゅう身近な大事な人に死なれているわけではなくてホッとした…というような文章があったように記憶しているけれど、それと同じ)

この遊具、どこの展示で見たのかさっぱり思い出せず、あれは別の人の作品と間違えていたのかな?と思っていたら、この雑誌に一部掲載されていて、記憶間違いじゃなかったのかーと、ちょっとうれしくなった。
それにしても、どこの美術館で見たのだろうか…。

夕方からは近所のお祭りに顔を出す。
犬の散歩仲間の方が役員をされており、誘われたのでビールを飲みがてら、様子見に。

 
 
 
 
 
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町内会の人たちによるこのお祭りは、テキ屋は一切出ておらず、温かい雰囲気。
浴衣を着たお子さんたちがたくさん、ハッピを着た地元のお爺さんたちがたくさん。

昨年同時期

少し前まで出張の多かった夫は、今ではほとんどなくなり在宅での仕事が増えている。
不在はともかく、長距離の車の運転というのはどうにも心配で、ネットで自動車事故のニュースをついついクリックしてしまい、その結果、ますます自動車事故のニュースばかりぴっくあっぷされて、読む羽目になるということになった。
会社から貸与されていた車も今ではなくなり、最近はオフィスへの出社は電車を乗り継いで行っており、乗り換えが多いので最初は面倒そうではあったけれど、路線を選べば眠れるし、スマホをいじってられるしで、それはそれで楽しめるようになってきた様子。

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