コーチングの成果と言うと、目標達成と達成までの速度が速い点であるということがよく挙げられますが、コーチングには「コントロールを取り戻す」という成果もあります。
実際コーチングを受ける前に、ほとんどの人は色んな努力をしています。例えば時間管理ついて問題を抱えいているという認識をしている人は、それについて様様な努力をしています。
・時間の使い方について効率化を目指し、さくさくと仕事の処理を行おうと計画するけれども、割り込み仕事が多くてどうにもならない・・・・、
・健康管理に気をつけようと心がけてみるが残業が多くてどうにもならない・・・・。
・効率よく家事をして、空いた時間で勉強をと計画するが小さい子供がいるとどうにも計画通りに進まない・・・・・
問題に対応努力をしているのですが、自分ではコントロールできない事情に押しつぶされてしまい、結果として自分の生活がコントロールできなくなっているという方が多いようです。
こういったケースがコーチングを受けることで、コントロールを取り戻していくということが多々あります。
それでは、そのようなクライアントに対してコーチはどのようにコーチングを進めていくのでしょうか?
まずコントロールできるものとコントロールできないものを見極める必要があります。
自分でコントロールできないと思い込んでいるだけなのか?
反対にコントロールできると思っているが、本当はそれは無理なのではないか?
このあたりをじっくりと見ていくために以下のようなことを試みます。
1)本当にそれはその人がやらなくてはいけないのか?ということをあらゆる角度から、コーチと一緒に考えます
あらゆる角度から考えていくと、これはひょっとして他の人に頼めるかも・・・・という可能性が出てくる場合があります。
「絶対にそれは自分がやるしかないんです・・・だからしょうがないんです」とおっしゃる方もたくさんいます。
でも、これが翌週になると「よくよく考えたら、AとBは人に頼めるものでした」となるケースも実はたくさんあります。
一緒に考えたことが引き金になって、自分自身を深く振り返ることができた場合にこのようなことが起こります
2)なぜコントロールできないのか?という原因をコーチとリストアップします。出来上がったリストを一緒にいろんな角度から眺めます
たとえば家事をコントロールしたい場合、するべき家事をリストアップしてみます。
そして以下のような角度から、それぞれのタスクを眺めてみます。
– すぐにやらなければいけないのは何か?
– 時間のかかるものは何か?
– ついでにできるものは何か?
– 誰かに頼めるものは無いか?
– 止めてしまっていいものは無いか?
– 後回しにできるものは無いか?
– 子供と一緒にできものは無いか?
– もっと効率の良いやり方は無いか?
– もっと楽しくやれる方法は無いか?
たとえば洗濯物は子供と一緒に頼んでみるとか、洗い物は夫と二人でやることにして、洗い物をしながらその日にあったことを二人で話す場にしてみるとか、思い切って食器洗い機を導入しちゃうとか、このリストアップだけもかなりたくさんのことが見えてきます。
3)そのことについてコントロールを取り戻すことでどんな成果を手に入れたいのかということをもう一度と確認します。
時間を効率的に使いたい・・・・・という目標は効率的に使うことでどのようなことを手に入れたいのか?ということを改めて確認します。
たとえば、部下とのコミュニケーションを取る時間が少ないため、業務の時間効率を上げて部下とのコミュニケーションを取る時間を作るというのを目標にしていたとします。
それでは実際に部下とのコミュニケーションの時間が手に入るとしたら、「週に何時間必要で、その場でどのようなコミュニケーションを取りますか?」と質問すると、実はあまり明確になっていなかったりします。
「週に1時間ぐらい、1対1のミーティングを持って、
業務の振り返りとかコーチングとか・・・・
うーん、1時間もいらないかなぁ・・・・
何を話すべきかな・・・
いや、話すんじゃなくて聞くべきなのかな・・・・?
うまく言えないけどコミュニケーションが不足しているって気がするんだよねぇ・・・・だからさ・・・・」
なんて歯切れの悪い答えがクライアントから返されることも決して少なくはありません。
これでは実際に時間ができても、おそらくコミュニケーションの場を持とうとすることはなく、持っても当初期待していた成果は上がらないでしょう。
ここでしっかりとたとえば「週に30分、部下からの話を聞く場を持つ」と自分の中で決めていると自分の中にしっかりとしたイメージが浮かびます。
ここまでくると、なんとなく30分を見つけて時間を取るようになってくるのです。
(またイメージがしっかり浮かぶと、不思議とそいう隠れていた30分がどこかから出てくるのです)
このようにコントロールを取り戻すことについて、コーチとクライアントが二人で様様な角度から見ていくことで、少しずつコントロールを取り戻していき、さらにこれが自信につながるすごいスピードでご自身のコントロールできるエリアが増えていくようです。
お読みいただければわかると思いますが、コントロールを取り戻すことは、決してコーチ無しではできないことではありません。
ここまでお読みになった皆さんは、ぜひまずはご自分で試してみてください。
自分でもできそうなのに、あえてコーチを依頼する理由は、自分にコントロールを取り戻すまでの時間が大幅に短縮されることにプラスして、以下のようなことがあると私は思います。
Contents
<自分でもできるけれど、あえてプロのコーチを依頼する理由>
目標から目をそらせなくなる
コーチがつくことで、忙しさにかまけて目標を後回しにすることができなくなります。
コントロールについて考えるのは後でいいや~なんてわけにはいきません(笑)
考える時間をきちんとスケジュールして作ることで自分の本来の思いに気がつく
じっくりと自分のことについて考えてみることによって、自分が本当に目指しているもの、思っていることが見えてくる
承認による自信
コーチングの中でよく挙げられるのが「承認」。
クライアントの存在や行動を心から認めることです。
コーチからの承認によってクライアントは自分に対する自信を深めていきます。
適切なフィードバック
コーチからのフィードバックは、クライアントのありのままの姿を伝えるものです。
あくまでコーチから見てどのように見えるかを伝えるものであって、そこにコーチの判断が入るものではありませんので、クライアントは客観的意見というものを素直に聞き入れることが通常よりもずっと易しくなります。
このようなことから、コーチがつくと一人でやるよりもずっと、コントロールが取り戻しやすくなるのではないかと思います。
思いの外長くなってしまいました。最後までお読みいただいて有難うございます。今日はこのあたりで。
すごく深くまで順を追って考えていくわけですね~普段、漠然と物事を考えているだけだったので、問題点を洗い出すことからはじめなければ!
それにしても奥がふか~い..陳腐な自分の想像力を遥かに超えるものだったので、1回読んだだけではイメージが沸いてこず、何度も読み直してしまいました(笑)
とても参考になりました。ありがとうございます
私も今回のお話、とても面白かったです。
そして勿論とても、参考になりました。
人間は弱いのでなかなかそう考えればできると
思っていても、目標をがっちり維持するのは
難しい訳ですね。
なるほど、なるほど、なるほど、
という感じです。
コントロールを取り戻す・・・
私も自分の影響の及ぶ範囲に集中しなくては・・・
ありーさん、わんわんさん、
コメントありがとうございました。何だか書いてみると自分が伝えたかったことと、微妙に違うような気もしています。
思っていることを文章にするのが難しいなぁと最近つくづく思います。