マネジメントにおける北風と太陽

「本当に何度言ってもわからないんだよ」
「何回も同じことを言っているんだよ」

上司が部下をこんな風に言うのをよく聞きます。(逆のケースも結構ありますね・・・・)

昨年の暮れに転職をし、現在はベンチャー・キャピタルで投資先の育成を担当するようになりました。
そのため投資先のベンチャー企業の様々な会議に出席しています。
外部の人間として会議に参加することでかえって見えることがたくさんあります。
今日はその一つについて、書いてみたいと思います。

会議の中で、上司の発言が全く伝わっていないなぁと思う場面に結構な頻度で遭遇します。
決して上司の発言はおかしなことを言っているわけではなく、業務の上で、又は社会人として非常に大事なことを諭しています。
でも部下に伝わっていない・・・・・。部下は聞いていない・・・・。

一つには、部下のレベルに合わせた話し方をしていないというのがあります。
今の部下のレベルと上司の話のレベルが噛み合っていないというのが、傍から見ていると非常によくわかります。
これでは、何度話しても結果は残念ながら同じことでしょう。

もう一つには、部下のほうに頭から話を聞く気が無いケース。
私はいつもこのケースを見かけると、「北風と太陽」の話を思い出してしまいます。
同じアドバイスをされても、「あんたには言われたくないわよ!」と思う相手と、ついついアドバイスを聞いてしまう相手はいませんか?
両者は全く同じアドバイスをしているにも関わらず・・・・・。

発言する相手によって、その意見を受け入れたり、拒絶したりしてしまうことは誰でも経験していることだと思います。
おわかりだと思いますが、私の言う「北風と太陽」の話は、「叱責=北風、アドバイス=太陽」という発言内容を指しているのではありません。
「北風=信頼関係/尊敬/良好な人間関係・・・・なし、 太陽=信頼関係/尊敬/良好な人間関係・・・・あり」というのを私は連想してしまうのです。

相手に話を聞かせたいと思うなら、相手を理解し信頼関係を築くことがまず先ではないでしょうか?

話を伝えることができない上司は、そもそも相手の話を聞いていないことが多いような気がします。
あなたの話は相手の防御を高めるだけ、コートを脱ぎまいと押さえ込ませることになっていませんか?

心から話を聴くことで、相手の信頼関係はできてきます。
それから、相手の考えていることが理解できれば、なぜ相手が自分の指示した行動が取れないのか・・・・、どのように自分の話や本人の仕事を捉えているのかというのがわかってきます。
こうすれば相手のレベルに合わせた話もできるようになります。

もしも、あなたが部下や周囲の人間にいくら言っても通じないと思うのであれば、まず自分自身に聞いてみてください。

「あなたと相手の間に良好な人間関係はそもそもありますか?」
「あなたは相手のことをどの位知っていますか?」

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