ダイバーシティへのモヤモヤ

アメリカの会社に勤めているときに初めて知ったDiversity:ダイバーシティ(多様性)という言葉が、どうして日本に入ってくると、女性活用になってしまうのか?というのが長年の疑問だった。

今でも疑問が解けたわけではないけれど、日本ではダイバーシティ=女性活用なんだな‥と丸呑みしている。多分、これが、いやいや人種も年齢、性的指向、障害の有無も多様な人を織り交ぜてというのがダイバーシティ・マネジメントですよ‥という話になっても、今の女性活用と同じで、「世間がそう言ってるなら、面倒ですけどやりますかね。とりあえず、採用枠増やして、他社でやっているような制度を入れますかね」となって、単純に同質性のない人たちが入ってきて、なんだか今までに比べて意思疎通がむずかしくなって、色々とやりづらいなぁ…、でもきっと良いことなんだろうから、文句を言うわけにもいかないのだろうな…、と、現場の社員が思うだけになりそうな気がする。

じゃぁ、どうやったらダイバーシティって本当にいいものになるのかな?とうっすら長いこと思っていた。

たまたま読んでいた「『好き嫌い』と才能」という楠木建さんの本の中にこんな一節があって、そうか!と思ったので、備忘録としてメモしておく。

ゴールドマン・サックスって、すごいダイバーシティのある会社だったのです。でも、そのダイバーシティのなかで、みんなが持っていた価値観というのは一緒で、みんな競争が大好き、お金が大好き、自分が死ぬ気で働くのが大好きという。そのなかに、黒人とかヒスパニックとか、女性とかがたくさんいたというダイバーシティなのです。

これは、ウォンテッドリーの創業者である仲暁子さんへのインタビューの中で出てきた言葉。

そうそう、それなのだ。
会社というのは本来同じ価値観を共有している人が集まる必要があるのだと思う。
ダイバーシティで多様な人を集めるのが目的でなく、同じ価値観を共有できる人であればどんなバックグラウンドの人とでも一緒に会社を強くできるし、個人のもつ様々な違いがあるために、様々な視点が入ってくるからますます強くなることができるのだと思う。

動物園や水族館じゃないんだから、色んな種類がいればいいでしょう・・・という話ではないのだ。

この「「好き嫌い」と才能」はいろんな経営者の人へのインタビューが掲載されていて、インタビュー形式なので読みやすくてとても面白い。前著「「好き嫌い」と経営」のほうも同じ形式で面白いので、興味のある方はぜひ。

「良し悪し」で判断するよりも、「好き嫌い」で人生も仕事も決めちゃう私は、著者の楠先生に共感することが多くて、読みながら頷いてばかりいる。

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