読書会:リーチ先生について

※2020年2月29日第4回目の読書会「サードプレイス  ~一緒に本を読む会~」は新型コロナウィルス感染症拡大防止の為、中止となりました

2月の読書会は、サードプレイス初のフィクションということで、原田マハさんの「リーチ先生」を取り上げます。
今回のファシリテーターは、Tomokoさん。
基本的にサードプレイスはファシリテーターが課題本を選ぶ事になっています。

ということで、以下は、Tomokoさんによる紹介文です。

【なぜこの本を選んだの?】

今回の本選びは苦労しました。これまでの課題本は、どちらかというと人や心、社会の在り方について考えるきっかけや問題意識を喚起する内容でしたので、今回も何か発見がありそうな本を取り上げたいと本選びをスタートしました。こういった機会に読みたいと思っている本は何冊もあるのに、何か違う。読めば絶対面白い発見があるはずの本が目の前にあるのに、手が伸びない。手にとってもページが進まない。もしかしたら言葉でいろいろ考えることにちょっと疲れていた時期だったのかもしれません。

そんな時に手に取ったのが、「リーチ先生」でした。読書会の本選びと関係なくプロローグを読み始めたのですが、自分の知っている地名が登場したこともあり、すんなり情景のイメージが染み込んできました。乾いた砂に水がしみこむように気持ちが潤うような感じです。

本選びも、たまには難しいことを考えず、ふと手に取ったものを選んでみてもよいのではということで今回は小説が課題本となります。

【どんな本なの?】

さて、いつもですと本の内容をご紹介するのですが、小説をうかつに紹介してネタバレしてはいけません。紹介は出版社の解説にお任せしましょう。

“1954年、大分の小鹿田(おんた)を訪れたイギリス人陶芸家バーナード・リーチと出会った高市は、亡父・亀乃介がかつて彼に師事していたと知る。──時は遡り1909年、芸術に憧れる亀乃介は、日本の美を学ぼうと来日した青年リーチの助手になる。柳宗悦、濱田庄司ら若き芸術家と熱い友情を交わし、才能を開花させるリーチ。東洋と西洋の架け橋となったその生涯を、陶工父子の視点から描く感動のアート小説。”(Web集英社文庫より)

http://bunko.shueisha.co.jp/leach/

私、実はバーナード・リーチという人のことをほとんど知りませんでした。断片的な知識から、柳宗悦と一緒に日本各地の民藝を発掘、紹介した人としてなんとなく認識していたのですが、今回この本を読んで勘違いしていたことがわかりました。陶芸家だったのですね。

多分は岡倉天心&フェノロサチームとちゃんぽんにしていたみたいです。お恥ずかしい。

物語の筋に引っ張られて、一気に読み終えてしまいました。夢をかなえる人と支える人の組み合わせは、NHKの「マッサン」「まんぷく」といった朝の連続テレビ小説の設定を思い起こさせます。そのうち映像化されるかもしれません。

この小説は、フィクションとノンフィクションのどちらでもなくどちらでもあるのだと思います。ですから、物語をフィクションとして楽しむだけでなく、物語から現実の世界に戻って、実在した登場人物たちが残した考えや作品に改めて触れて味わうというのもよいのではないでしょうか。

なお、出版社の特設サイトで、実在の登場人物たちや時代背景をわかりやすくまとめてくれていますので、お勧めです。http://bunko.shueisha.co.jp/leach/

【読書会では・・・】

作品について語り合うのも大変楽しいものですが、この作品ならではの楽しみ方もありそうです。バーナード・リーチや彼の友人たちの作品、活動拠点の手賀沼やセント・アイヴスの風景といった「みる」ことができるものとかあったら面白いかもしれません。

とりあえず、我が家で活躍している小鹿田焼の小皿を持参してみようかなと思っています。

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