開催報告?
これまで書いてきたリアルの読書会の開催報告は、会の雰囲気が伝わるような当日の話+アンケートでいただいた感想について、取り上げるという形でした。
第5回から新型コロナウィルス感染症の拡大を防ぐためにzoom開催に切り替えました。
zoom開催では、読書会を録画しています。
これは、会のの終了後に開催報告を書くためです。
終了後に録画を視聴することで、会の中ではあまり引っかからなかったご意見やお話が、後からものすごく自分に響いてくることがあるというのがわかってきました。
録画を見ながら振り返るとものすごく「気づき」が多いのです。
(「気づき」という言葉もすっかり安っぽい手垢のついた表現となってきて、あまり使いたくないのですが、うまい表現が見つからない)
一方でそうなってくると、どうしても開催報告が長文になりがちです。
前回も以下のように2回に分けて開催に関する報告的な記事を書いていますが、今回もそうなります。
ちなみに、これまでの開催報告に目を通していただくとわかるのですが、リアル開催の場合、開催報告の内容がどうもオンラインに比較して薄いのは、学びや気づきが少ないというよりも、その後の食事会の盛り上がりが激しくて、こちらの気づきのほうが多くなってしまいがちだからです。読書会自体が結果的には、食事会の前のアイスブレイクで、本番は食事会からね‥って感じだからかもしれません。
もちろん会の中での本の話もすこぶる興味深いものですが、やはり飲食をはさむとどんどん面白い話が加速度的に出てくるようです。
知らない人ばかりで、本の話題から入ってくわけですから、共通の話題はあるけれど、普段にお付き合いや利害関係がないから、何でも話したいことだけ話して、話したくないことは話さなくていいんですから、そりゃ楽しいですよん(;^ω^)
※尚、リアル同様にもっと話したかった、聞きたかったにお応えするために、
7月からは、読書会に一度でも参加された方たち限定で、Facebookページを開設予定です。
そもそも第6回の読書会はどんな想定だったの?
「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略」又は「まんがでわかるLIFE SHIFT」を課題本としたオンラインの読書会でした。
詳細については、以下の記事に書いております。
この文章について
前置きはさておき、今回のこの文章は、読書会を通じて皆さんの意見を聞いて、私が一人で読んでみた「ライフシフト」では得られなかったもの、気づかなかったことなどを中心に書いてみようと思っています。
そんなわけでこれまでの開催報告とはちょっと違って、かなり私の個人的な感想になります。
読書会で気づかされたこと
3ステージの人生を過ごしている人とは?
上記のイメージ図は、ライフシフト漫画版を参考につくったものです。
この本では、これまでの人生はこういう3ステージの人生だったよね?そうだよね?の前提で始まるのですが…
のっけから、「そもそもこんな3ステージの人生を送っている人って、もう少ないのでは?」というご意見が、「よっぽどの大企業や官僚、公務員などでないとこういった人生を送るのってそもそも難しいのでは」という意見が登場!
私自身が、そもそも学校卒業前に妊娠・結婚をしていたぐらいですから、まったく3ステージから脱落していました。
私がそんなだからかもしれませんが、周囲の親しい人も3ステージのケースが当てはまることがあまり多くはないようです。
とはいえ、顧問先の企業やコーチングのクライアントの方々を見ていると、こういう方々もたくさんいらっしゃいます。私の仮説は、3ステージの人たちは3ステージの人達に囲まれており、そうでない人はそうでない人達に囲まれているのでは‥というものです。
マルチステージと男女の差
今後はどうなるかわかりませんが、そもそも現在50歳前後の私の学生時代の友人やそれより歳上の女友達の世代では、女性が3ステージを歩むこと自体が非常に珍しかった気がします。結婚退職というのも非常に多かったですし。
結婚で退職しなくても、妊娠を機に退職して、その後は育児が落ち着いたら仕事に戻るというケースも多かったです。(←これなんか、本当に少し前までそうだった気がします)
もう一枚の図がこちらです。
これは、人生100年時代には「3ステージの人生」から「マルチステージの人生」になっていきますよーという図です。
「教育」の後ろが、「仕事」だけではなくて、色んなものが入っているのです。
この日の読書会の参加者は、65%が女性の方で、皆さんのお話を聞いていると、かなり主体的に子育てをしたり、PTA活動に参加されたり(地域活動)、ご両親の介護に携わったり、従来から女性特有の役割を果たされてきているのがよくわかります。
どうも女性は、本人が希望するしないに関わらず、職業中心となる3ステージを歩むのがそもそも難しく、これまた希望するしないに関わらず、マルチステージになりやすい気がしてきました。
よく組織内に女性が活躍している人が少なく、ロールモデルが少ない‥なんていう話が数年前によく出ていましたが、そういう意味では、女性には人生100年時代のロールモデルは結構いるのではないかと思います。そもそも主婦って引退がないわけですしね‥。
履歴書ではわからない、それぞれの人生のステージ
色々と皆さんのお話を聞いていると、その人の人生が「3ステージ」なのか「マルチステージ」なのかを判断するのは、その人の人生全体の話を聞いてみないとできないな‥ということをこの会に参加された多数の方は、感じたのではないかと思います。
3ステージというのは、なんとなく自分の人生は、会社を勤めあげて、その後は年金をもらって余生を過ごすんだろうな‥と思っていて、特にそれに対して何もしな人、例えばもっと何かにチャレンジしようとか、よりよい人生のために何かアクションを起こさない人を指しているような気がしてきました。
あまり先を考えないでも既定路線をいけると信じ込んでいる人というのでしょうか。
履歴書にまったく空白期間がなく、学校→就職(転職なし)→‥という履歴書を見れば、それはパッと見て 「3ステージ’」に見えるのですが、同じ企業に勤めていても、配置転換や責任範囲の変更、転勤や、海外移住、家族の問題、友人との関係、身近な人の死、新たな生の誕生、自身の大病や怪我など自分の生き方をじっくり見つめるきっかけというのは結構あるものです。
私の好きな『7つの習慣』では、こういったことを「人生の目覚まし時計」と呼んでいますが、何かをきっかけに「自分はこのままでいいのだろうか?」と考え、それをきっかけに自身の考え行動を大きく変えるという機会は一見3ステージでもたくさんあるわけです。
そしてもちろん、「人生の目覚まし時計」に出会わなくても自分の長い人生をより充実したものにしていくにはどうすればいいのかと考え、行動を取る人もたくさんいるでしょう。
ようは自分の人生にたいして、リーダーシップを発揮して自分の人生を自分でデザインしようとしたことがある人なら、傍からは3ステージに見えてもマルチステージなんじゃないかと感じました。
これも面白いな‥と思ったのですが、参加者の方の中には、キャリアを聞いてみると、これぞマルチステージ!と思われる方もいらっしゃいました。
しかし、お話を聞いてみるとご本人の捉え方は、自分はシフトを決断したことがないから、3ステージの人間と、おっしゃったりもされるので、このあたりの感じ方は本当に人それぞれだなぁ‥聞いてみないとわからないものだ‥と思いました。
実はこのお話には、「私自身もそうかも?」と思いつまされました。
転職回数多い、フリーランスというとそれだけでマルチステージっぽく捉えられがちで、この本が流行った数年前には、特に年配の男性陣からはよく「yoshikooさんはライフシフトをまさに地で行っていますね」と言われることも多く、私もそうかな‥と思っていました。
よく考えると確かにそこに長い人生を意識してシフトしたって、ないんですよね、私も。
全部、「好き嫌い」と「勢い」でだけで選んでますね、結婚しかり、仕事しかり…。
またお若い方だと、人生100年時代、どこの国で生きていくか‥も考えるというお話もあり、そうか!残りの年数が長いということは、選択肢がそれだけ豊富ですから、考え行く範囲も広いものだな‥と気づかされました。
この本の読みにくさ
会の中で何度か、「自分ごと」という言葉が出てきした。
ふと思ったのですが、この本の読み難さというのは、そこにあるような気がします。
図は書籍版と漫画版にそれぞれ登場する人物と、その人達がいつ頃産まれた世代なのかというのをまとめたものです。
本の中では、3つの世代が100歳まで生きるというのは、どのぐらい長く働く必要がありそうなのか、その世代はどんな価値観を持っているか、そしてこの人達は人生100年をどう生き抜くべきか‥というのが書かれています。
この中に自分と同じ世代且つなんだか価値観やこれまでの生き方が近いかも‥と思われた方は、この本を「自分ごと」として読めたり、また、似た登場人物は見当たらなかったけれど、自分に足りない視点はこれだった‥と思えた方も「自分ごと」として読めたのではないかと思います。
ただ、全然ここに似た感じの人がいないとか、え?今更そこですか?と「他人ごと」にしか読めなかったという人には、この書籍版の長さはちょっとつらいと思います。
楽しめるとしたら、この先未来がどうなっていくかといったAIを始めとする技術革新がもたらす未来予測の話になるのでは?といったご意見もありました。
実は私もこの意見に近く、もともとこの著者が日本で有名になったきっかけは、このライフシフトの前の本「ワークシフト」という2012年に出版された本だということをご記憶の方も多いと思います。
「孤独と貧困から自由になる働き方の未来図」というサブタイトルに引かれて、出版されてわりと早くに私は読んだのですが、もうこんなの未来でもなんでもなくて、私がこの本を読む前に勤めていた外資IT企業は既にこんな感じだったので、ものすごくガッカリした記憶があります。
実はそれもあって、ライフシフトには手が伸びにくかったのです。
そういう意味では、私は今回の読書会は本を楽しんだというよりも、本を通じて語られた出席者皆さんのエピソードや経験、視点が面白かったです。
そういう意味では、この本を選んだのは正解だった気がします。
投票結果と振り返り
今回もzoomならではの機能ということで、「投票機能」を使って皆さんの思っていることを投票していただきました。この機能を使うと、ちょっと読書会の空気を入れ替えたいときや、トピックを別のところに持っていきたいときに、すごく便利なのです。
録画に入らないのと投票結果がzoomの履歴に残せるともっと便利なのですが…。
あなたの増やしていきたい無形資産は?
こちらの投票結果で最も少なかったのが、「生産性資産」が最も低い結果となり、活力資産と返信資産への投票はほぼ同じぐらいでした。正確にはわかりませんが、おそらくご出席者の方の平均年齢が40代半ば〜後半だったのかな?と想像しています。
となると、今の勤務先や仕事での先行きというのはなんとなく見えてくる年齢でもあり、さらに今回の課題本は人生100年がテーマということで、人生の後半戦をどうするか?というのを考えているかたのほうが多いため、このような結果になったのかな?と想像しています。
今から市場価値を高めるというような、エンプロイアビリティをどう高めていくかというよりは組織とい後ろ盾がますますあてにならなくなる後半戦をどう考えるかというと、ますます年収などでは測れない無形な資産に向かうのかもしれません。
逆に参加メンバーの平均年齢が低ければ、ここは「生産性資産」がまっさきに選ばれたのではないかと思います。
自身の考える新しいステージは?
これについては、今後自身の新しいステージを選ぶとしたら、ということでこちらの頭に出ているLIFE SHIFTの3つの他に、「ここにはあてはまらない自分で考えているステージがある」「ここにはないし、特に考えていない流れに任せる」という2つの選択肢も用意してみました。
結果としては、「インデペンデント・プロデューサー」と「ここにはないし、特に考えていない流れに任せる」に投票された方はゼロでした。
「エクスプローラー」と「ポートフォリーワーカー」はきれいに分かれて、1名の方が自身で別に考えられているステージがあるとのことでした。
全体を通しての感想
今回は初めての参加者の方と以前にも参加したことがあるという参加者の方が、ちょうど半々の会となりました。
事務局都合で人数少なめの開催とし、それもあってブレイクアウトルームを使わないため、時間を少し短めに設定しましたが、みなさんからは、「時間が少なかった‥」という声をいただいてしまいました。
もう少し長くでも良いようですね。このあたりの調整は、リアルよりオンラインのほうが難しい気がしています。
具体的な感想としては、
- 変化に対応していく心と体が必要だと思う。
- 自分のことに置き換えて考え行く機会になった
- 自分ごととして決定していくのが大切だと自分も思った。もっと変化して、様々なことを経験したり、学ぶことを欲している、それを意識して始めていこうと思う。
- キーワードー「自分ごと」というのが刺さった。
- エクスプローラーとして生きていくヒントをもらった。
- いろんなひとの話を聞いて面白かった。
- マルチな仕事ってちょっと前までは当たり前で、それが嫌で生まれたのが近代では?というところで、こういった本が表れて、じゃぁどういう世界をじゃぁ目指すの?この200年ぐらいに目指していた世界と違うのでは?という印象。
- あと半分これまでやっていたことができるんだな、楽しみ。楽しむために何をやっていくかな‥と日頃考えている。
- この読書会サードプレイス自体も無形資産の一つ思う。
- 自身で別の読書会をやっていますが、やり方が全然違って勉強になりました。
- 思ったより参加者の皆さんが、マルチなキャリアなんだなぁと知り、自分でもできるかも‥と感じることができた。
- ここに限らず、読書会というものに初めて参加したけれど楽しかった。
- もっと聞きたかった、時間短い。またみなさんとお話したい。
- 60代はいけそうな気がするけれど、70代は本当にいけるのかな?
- 老人は趣味ばかり楽しんでいるイメージだが、それで自分は満足できる気がしない。社会に貢献し続けたい。
- お金ではなく自分の満足を得ていきたい。
一番、みなさんが賛同されていたのはこちらの感想↓
こういうことをしていくには、健康第一かな‥
皆さんめっちゃうなずいているのが、zoom越しによく見えました。
本の紹介について
皆さんから自己紹介の際に、最近読んだ本やこれから読みたい本について教えていただきました。
こちらもとても面白いので、まとめて別記事としてこちらのブログに掲載予定です。
お楽しみに。
これが、飯テロならぬ本テロなんですよ、前回に引き続き読みたい本が増えて結構困るのです
次回の課題図書は、「遅いインターネット」。読んだ人も読めなかった人も、ぜひ気軽にご参加ください。
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