在宅勤務とコスチューム

フリーランスという仕事柄、もともと自宅で仕事をすることは多かった。
その昔、社員で勤めていた会社も24時間コアタイムなしフレックスという形態だった上に、後半は上司が海外にいることもあって、出社することは少なかった。
そう考えると多分15年以上、自宅で日中仕事をするというスタイルに馴染んでいる。

それでもコロナ前は、週に数回は商談や会議、コーチングの対面セッションなどがあり、外出する機会があった。

2020年春の緊急事態宣言からは、様々な打ち合わせもセッションもオンラインに切り替わり、仕事で外出する機会は極端に減った。

こうなってくると、どうしても化粧をしたり、きちんとした格好をする機会が減ってくる。

さらに秋には逗子に転居した。

逗子というのは、住んでみると地味な静かな場所で、びっくりするぐらい化粧をしている女性が少ない。
海岸の散歩でよく見かける大型犬を連れた女性たちは、カジュアルでもお金のかかった服装をしているが、足元は砂対策のために夏はビーチサンダル、冬場は履きつぶしたショートブーツ、そして化粧はテキトーという人が多い。

通勤スタイルでもビシッとしたスタイルの女性はとても少なく、商店街なんていうのは、とてもラフな人ばかりで、たまにきちんとしたおしゃれをしている女性たちを見ると、ああ観光客だな‥とすぐわかるぐらいだ。

都心への外出が減り、周囲はラフなスタイルの女性ばかりとなれば、もともとオシャレに熱心ではない私などは、あっさり低い方に(?)流される。

秋から冬にかけて、スタイルはほぼ毎日、アウトドア用のズボン+アウトドア用のロングTシャツ+アウトドア用のフリースかパーカー、もしくはアウトドア用のズボン+ユニクロのハイネックのニットとなった。
上着はダウンジャケット一辺倒。
アウトドアウェアというのは機能性が高いため、基本的に軽くて温かく涼しくて、さらに洗濯するとすごく早く乾くというメリットがある上に、犬の散歩に便利なのだ。

さすがに夫と二人で食事に出るというようなときだけは、もうちょっとまともな格好している。

化粧はさらにテキトー、外に出たりオンライの会議がある日は、日焼け止めをつけて、眉をかいて、口紅を塗り、カメラはぼかしまくっている(Zoomの場合)。
犬の散歩も夫に任せ、外に出ない日は、それらも全部なし…となる。

楽ちんで素晴らしい。

…という毎日だったのだが、どうも気がつくと、やたらにダラダラしてしまう時間が増えた。

私は家と外の差が激しいタイプで、外では仕事ということもあってきちんとして見える服装を心がけているが、家ではどうでもよくて。(というか、本来あまりおしゃれに興味がないのだと思う)
スーツかパジャマかみたいな人間だ。中間がない。
おしゃれな部屋着とか全く興味がないし、高いお金を出してわざわざ中間の服を買うというのもよくわからない‥、上に着るものなどは、夫の着古したものが布もぐったりしていて柔らかく、サイズもダブダブで楽‥みたいなところがある。

ONとOFFの切り替えが激しいというのは、長い間自分の性格だと思っていたが、しいたけ占いさんの占いを見るとそれはどうも山羊座の特性らしい‥。
一人のときは、完全ダメ人間で、外でちゃんとしているように見せるのは、まったく自然体ではないため、ものすごく疲れるのだ。

で、話を日々の服装に戻すと、いつもOFFな格好をして化粧をしないと、仕事はちゃんとやろうと頭では思っていても、気分が上がらずOFFモードになってしまう‥ということに気がついた。

どうやら、きちんと仕事用のコスチュームに着替えて、化粧もそこそこにはしておかないと、気分がその気になれず、仕事頭になれない設計になっているようだ。

ということに気がついて、最近はそれなりにきちんとした格好をして平日は過ごすようになった。

やってみると、なんだか気持ちがテキパキするし、それに姿勢も伸びるような気がする。

自分は長いこと仕事好きで、仕事熱心だと思っていたけれど、服装一つで全然仕事しなくなるんじゃ、多分それは勘違いだったのか、そう思いこむようにしていただけなのかもしれないなぁ…などとつらつら考える今日このごろ。
ひょっとしてスーツを着てバリバリ働くというのに憧れていただけだったのかもしれない。

なんだかそう考えると自分の仕事用の服装というのは、仮装とか着ぐるみとかそういうものに近いのかも。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

  1. 飼い犬の画像

コメント

コメントをお待ちしております

HTMLタグはご利用いただけません。