第11回の読書会は2021年の4月にオンラインで開催。
課題本は、「独学大全 ~絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法~ 」。この記事執筆中の2021年6月もこの手の本としては異例の増刷が続いており、あちこちのメディアでも取り上げられています。
今回は全部で9名での会となり、その内初参加者の方は3名でした。
Contents
【参加者の読了率は?】
さて、Twitter上では「鈍器本」とも呼ばれているこの「独学大全」。
全部で750ページ以上あります。
独学の百科事典のような本ですので、あちこち好きなところから読むことができますし、必要な箇所だけ読むこともできる嬉しい本です。その一方でいわゆる「通読」やら「読了」やらまで持っていくのはなかなか難しい本とも言えます。
さて、サードプレイス参加者の読了率はというと
全部読んだという方が2名。残りの皆さんは、「第1章だけ」、「15%ぐらい」、「パラパラ目次読みました‥」ということでした。
であれば‥ということで、今回は本そのものの話よりも、皆さんの独学のこれまでの経験やこれから独学で学んでみたいことなどを中心に進行を進めました。
【参加者の独学体験について】
まずは自己紹介のなかで参加者の皆さんに、ご自身の独学経験についてまずは聞いてみました。
回答としては、学生時代の受験勉強から、仕事に関する勉強、資格に関する勉強、語学に関する勉強など様々なものがあげられました。
IT関連、特にPC操作レベルのものは新入社員ならば研修がある職場もありますが、中途採用になるとできて当たり前‥ということもありますね。ひょっとするとイマドキは新入社員なども「Excel使えますか?」とかって聞かれたりしないのかもしれません。
そうなると特殊な業務用アプリケーション以外は、自分で調べて使えるようになる‥というのが、もはや普通なのかも。
「独学」とまでかしこまって考えることはありませんが、この手のことって独学になりがちなものなんだな‥と気づきました。
受験勉強の話では、和田秀樹さんの受験本の話が出て、「懐かしい〜」という声も。
こちらは独学というよりも、完全に受験に振り切った本だった記憶があります。
そういえば、最近ごまブックスのHowto本って見かけないなぁと思ったら、Wikipediaによると2009年に再生法適用になっていたのですね、知らなかった…。
【これから独学したいもの】
続いて今後独学したいものも聞いてみました。
このあたりは年齢により随分とジャンルが変わってくるようです。財務会計や資産運用のような実用的なものから教養系のものまでたくさん出てきました。
多かったのは、やはり語学。
これはもう、語学の勉強本はしょっちゅうベストセラーになることを考えても独学の根強いジャンルですね。
やっておくと世界の様々な知にアクセスできますし、特に英語の場合は世界共通のパスポートというのも無視できない要因ですね。今回は英語の得意な参加者が多く、英語ができることで世界が広がった実体験なども聞けて、ますます勉強したくなるというムードも。
その他には、近年の教養ブームも反映してか、歴史、哲学、というのもかなりの方が興味をもたれているようでした。
このあたりは、「好奇心で学びたいというよりも、その手の話題が出たときに、全然ついていけない‥というのも格好悪い‥」といった正直なご意見も。
でも、これって実際そうですよね。学びたい!といよりも押さえておきたい‥というのでしょうか。だからこそ、「3時間でわかるXXXXX」みたいな本もしょっちゅう出版され、需要もあるのでしょう。
教養系の学びについては、「知るはわかるが、そこから先をどうするのか?」「面白かったよね?で、終わり?」「そもそも独学はなんのためにやるか?」といった、そもそもの話も出てきました。
個人的にはこのあたり深く掘り下げたい部分でもありますが、残念ながら時間足らず。
【皆さんの効果的独学法】
イマドキといえば、難解な本を読むときなどに事前にネットで、その本の要約を探して読んだり、Youtubeなどで概要を頭に入れてから読むという方もいらっしゃいました。
そう考えると今は昔よりずっと多様な独学法がありますね。
モチベーションの維持としては、やはりこういった読書会に参加を申し込んだり、仕事に直結するものなど、アウトプットの機会があり、さらにスケジュールをが決まっているものが効果的なようです。
【読書会のなかで言及されたその他の本について】
読書会のなかで話しに出た本を以下にまとめておきます。
私のブログに関連する記事があるものは、そちらも入れておきましたので、ご興味があればそちらもどうぞ。
「在野研究ビギナーズ――勝手にはじめる研究生活」
「独学大全」はビジネスパーソンに大変売れているようだが、本来はアカデミックな人向けに書かれた本だったのでは?という話から。
「思考の整理学」
著者の外山氏かの直接話を聞いたこともあり、勉強本としては独学大全よりもむしろこちらのほうがオススメだというご意見から。
「広く弱くつながって生きる」
「弱いつながり」「ウイーク・タイズ」の話から。
「ウイーク・タイズ」はアメリカの社会学者マーク・グラノヴェッターが1973年に発表した概念。
「ヤクザときどきピアノ」
学校がむしろ勉強を嫌いにさせたり、不得意だという意識を植え付けたりすることもあるのでは‥という話から。
【今回の感想】
- 何度か参加しているけれど今回が一番楽しかった、参加者によって毎回雰囲気がちがう、テーマとしても今の自分にあっていて、とても良かった。
- 2021年始めにこの本を手を取ったが、読みはじめが春になってしまった。「英語はパスポート」という言葉にぐっときたので、頑張ろうと思った。好奇心を持ったことは深堀りしようと思った。アウトプットが気になっていたけれど、この会に参加して、アウトプットについては脇においておいてもいいかなと感じた。
- この読書会に参加するというスケジュールがあったことで気になっていた「独学大全」が読めた。参加者が普段自分が接する人たちと年齢やプロフィールがちがったことで色々な意見が聞けてとても良かった。
- ざっくばらんな雰囲気で学びについて語り合えたのがほっこりした。学びは好奇心のおもむくままでいいんだな‥と思った。仕事のためではなく、童心にかえって学びたいと思った。この課題本については、読ませる工夫がKindleでもよくできていた。
- 今回がサードプレイスへの初参加で、読書会への参加は大学以来、思想の話しでなくて、安心できてよかった。流れも楽しかった。
- 雰囲気、時間の流れが気持ちよかった。村上春樹もむしろ読もうかと思った。今日から独学大全を読みます。
(注:読書会の中で、村上春樹のどこが良いのかさっぱりわからん‥というご意見が出ていて、そこを踏まえての感想です)
【次回のサードプレイス読書会】
第13回サードプレイス・オンライン読書会は「天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々」を取り上げます。
本を読むのが好きな人、本を読みたいと思っている人、今回課題本に関心のある人、いろんな方のご参加をお待ちしています。
場所 zoom(オンライン形式の読書会です。オンラインでの参加方法は後述)
日時 2021年9月11日(土)
10:00-12:00 (9:45より オンラインで入室することが可能です)
会費 無料
募集人数 15名
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