第15回のサードプレイスを2022年1月にオンラインで開催し、2022年最初の読書会も無事終了いたしました。
課題本は、「実力も運のうち 能力主義は正義か?」。
今回は全部で9名での予定でしたが、最終参加者は5名となり、その内、初参加者の方は1名でした。
自己紹介
2022年はどんな風にそしてどんな本を読みたいですか?
- 2021年は軽い本をたくさん読む傾向だったので、今年は重い本をじっくり読み込みたい。積ん読を解消。2021年は、本を買わない。
- 本気で読む本とそうじゃない本を分別予定。そうすると3分の2ぐらいになるはず。読みっぱなしではなく血肉にしたい。時間をとって読むということができていない。
自分が知っている歴史と、見直されている歴史にギャップがあるのでこのあたりを漁りたい。 - 社会人7年目。社会人1年目、2年目で読んだマーケティング、経営などの重たい本を読み返したい。今は創業しているので新卒のときと読み方・感じ方が違うかも。
難しいビジネス書にチャレンジしたい。イノベーションのジレンマ、ドラッカーの本など。 - 読書会は初参加。テーマを決めて2022年は本を読んでいきたい。具体的にはユングや河合隼雄、野矢茂樹さんなど読んでいきたい。
- 乱読で片っ端から目についたものを読んでいくタイプ。例えば新聞の書評欄とか社会問題などから読むきっかけを得ていることが多い。年間200冊ぐらい読むけれど、一字一句読むというタイプではない。
読書会で話された内容の抜粋
- 全体的にアメリカの政治状況が影響している内容が多く、アメリカの外にいる人間にわかりにくい部分が多かった気がする。
逆にこの本を読んでどうしてあんなにトランプの人気ががあるのか?というのかがわかったという部分もある。
列から離れた白人男性の話などとても腑に落ちたし、哲学ってそういう使い方があるんだというのも興味深かった。 - 政治的な分断が、左右からオープンからクローズへ移動してきているのが面白い。
- 公平な競争は誰にもチャンスがある。公平な競争はそもそもある?
能力と実力を無視しても公平に扱うべきか?何をもとに公平を判断すれば誰もが納得するのか。 - 運の中に、教育・大学の話が多い。7章では成功した人は周りの環境によるものという結論。
この成功した人たちはそれを実感することは難しいんじゃないか。一方で成功しなかった人たちはそれを聞いてどう折り合いをつけるのか?分断を縮める議論がない - 差をつけるというのは、必然なのか?必要なのか?学歴、美醜、生まれ育ち、貧困
これが問題の根本なのか‥
格差は悪なのか? - 富の格差でアメリカは、暴動が起きるけれど、どうして日本にはそういうのがないのか?
格差は自分が悪いと思いこんでしまうのか?
日本は自己責任 二宮尊徳 頑張ればうまくいくはず。
差は自分の責任?社会の責任? - 主張する方向が違う?日米 公務員の給料。
公務員の給料が高いとみんなに合わせて下げろ、日本
ヨーロッパは自分たちも上げろとなる
自分たちのレベルまで下げさせて鬱憤をはらす - 貴族制社会の例
平民と貴族では、格差はあるけれど、平民の能力のせいではない。生まれの問題
能力の問題になっているのが自己肯定感を下げる。努力のせいではない。
格差が悪いのではなく、能力主義の悪いところ - その人自身の功績なのか?生まれつきの環境によってその功績が出たのか?
その人の価値=功績?
人の価値をどう捉えるか? - 価値が低いことが悪いのか?
自分に価値がないのが悪いのか?人が他人をそう決めつけるのが悪いのか? - 英語のタイトルから考えると功績主義、功績を評価しすぎなのでは?それは問題では?
メリトクラシーで心が荒んでいてる。能力主義が階層の固定化になってしまった、貴族制の問題の解決策にならなかった。
結論はみんなで対話を増やそう。 - じゃぁ、われわれはどうすればいいのか?が知りたいが、処方箋らしい商法線がない。この本は問題提起の本ではないだろうか?
- 競争の是非の先。
幸せな人が多くなるには競争が多いほうがいいのか?もう少し競争の割合を減らしたほうがいい?
不幸な人が少なくなる方を選ぶのがよいのでは。 - 何かを議論するって難しい。言葉の定義が決まっていないまま議論をすると誤解が生じる
読書会全体の感想
- はじめのことば、と解説、目次と最後しか読んでいないで参加。結論がよくわからないなぁ。人それぞれで終わってるなぁ。
読んだ方と議論してよくわかりました。もうちょっと読んでみようと思いました。 - 会を通じて本の内容ってどうだったんだろうと確かめる会になり、面白かった。
誰かにこの本の内容を説明すること自体が難しいということは、著者のサンデルさんが相当難しいことを扱っている。
そのサンデルさんでも解決策が出せないぐらいの問題なんだな、これは。 - 初めて読書会というものでましたが、話しやすい雰囲気でした。
学術系の本を読むことが多くて、解釈が1つなのが学術本に対し、こうやって解釈が分かれるのがありという本をテーマに話し合うが面白かった。
この本に出てくる引用文の選別が難しい、どの人がどこまで何を行っているのか、いっていないのか。 - 読書会がなければ読めなかった本。ふわっとしか読めていなかったけれど、読書会に出たおかげで理解が深まり再読しようかと思いました。
全体を通じて
直前のキャンセルが多く、当初の予定人数よりグーッと参加者が減ってしまったのですが、そのおかげ(?)もあって、活発な議論がうまれました。
上記に書いたように、「どれが正解?」「どうすれば良い?」という結論は著者自身もはっきり書いていない本であるのもかえって良かったように思います。
競争がゼロではうまくいかないだろうけれど、では競争はどうあるべきか?どこからが行き過ぎなのか?というのは、参加者それぞれのこれまでの人生経験や知識などから、人それぞれ思うところがあり、それぞれの異なる意見が聴けたのも非常に良かったです。
また、本の読み方や解釈の仕方も人それぞれ色々とあるな・・と思う読書会でした。
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