初めてのコーチング

数年前、外資系のネットワークインテグレータの会社に勤めていた。
そうは言っても、人数は数名。立ち上げ当初からいたこともあって、私の仕事は何でも屋だった。

その当時の日課の仕事に、社長と裏の喫茶店でコーヒーを飲む・・・というのがあり、これが毎日午前中もしくは午後に約1時間。多い時は二回行くこともあった。
喫茶店では、仕事の細かい話は一切無く、今後の会社の展開や人の採用方針、営業展開の話など、どちらかとういうとかなり壮大な話が多く、私は基本的には、聞く立場で、聞いている中でわからないことがあると、「それはどういう意味ですか?」「AとBの関連性がよくわからないのですが?」と質問をするぐらいであった。
喫茶店を出ると社長はいつも、「相談できてよかった。やっぱり君は頼りになる」と私を誉めちぎった。

・・・が、誉められる私にしてみれば、私がそこで何を提案したわけでもなく、一方的に話を聞かされて、しかも貴重な時間がこんなに潰れて、私のルーティン・ワークは1つも片付いていない・・・と、最初はともかく、最後のほうはかなりうんざりしたもので、その時間にわざと外出や来客の予定を入れたりと色々と画策したものである。

今、考えるとあればコーチングだったのだ。

一つ異なっていたのは、私が相手の力を引き出そうと全くしなかったではあるが、そんなことはしなくても、社長は自分が喋ることを熱心に聴いてくれる相手がいれば、喋っているうちに自分で何をすべきかがどんどん見えてきたのだと思う。

あの頃それがわかっていれば・・・・とも思うが、わかっていたら何か変わっただろうか?

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    2015.09.30

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