20代後半から、IT業界の人材育成、BtoBのマーケティング、営業というフィールドにプラスして、個人向けにコーチングを提供するというのが自分のキャリアの軸だったけれど、大幅にキャリアチェンジ。2024年3月に大学を卒業して、2024年11月より呑み屋の店主になって1ヶ月が経った。
この投稿をInstagramで見る
オープンの告知は全くせず、人通りの少ない住宅街で壁に店名だけ張り、表にはメニューも出さず、Instagarmをひっそりと始め、あとはご近所の方たちぐらいしか知らない状態でオープンさせたお店。
ゆるゆる始められてのんびりスタートできたおかげで、これまでの人生で全く縁のなかた飲食店の店主という仕事に徐々に慣れていくことができた気がする。
夫にはあれこれお金を掛け過ぎだの、もっと宣伝しろだの、うるさく言われたが、とてもじゃないけれど対応しきれないので、申し訳ないけれどほとんど無視。
スポンサーでもないのに、あれこれ言われてもなぁ…。
人の博打に口を出すなんて野暮の極みではないか…。
まぁ博打というよりも老後の最後の趣味に近い気もするが、とりあえず好きな本とお酒にかこまれて今のところ楽しい。
お庭を犬連れOKにしているため、ご近所の方が犬を連れてやってきてくれ、その様子をInstagramにアップしてシェアしてくれたりするので、フォロワーさんの多くは、店の近辺で犬を飼っている方が多い。
お店は門から入って、家屋の脇を通って庭に入ってすぐのところに入り口があるので、看板を見てもなんだかわからないし、入りにくいし…、それでも入ってこられて、入口からここは何のお店ですか?と聞かれると、「勇気のある人って結構いるんだな…」などと関心している。
このわかりにくさを楽しんでもいるのだが、来年ぐらいからはこのあたりももう少しなんとかしようと思っている。
ま、年内いっぱいはプレ・オープンってことで
一ヶ月やってみて色々と見えてきたので、来年からは営業日と営業時間を変更予定
やてみると、これは作り置きでは駄目だとか、全部味をきっちり入れちゃうと出すときに温める時点で味が濃くなりすぎるとか、お酒を出すよりコーヒーや紅茶を出すのがとっても大変だとか、やってみないとわからないことばかりで毎日飽きない。
それからものすごく色んな人が協力したくださるのも有り難い。
読書会で取り上げた「エフェクチュエーション」という本に書かれていることがそのまま起こったのも面白い。
オープン前から、オープン後まで様々な人が手を貸してくれている。
オープン前は本棚を寄付してもらったり(さらにその本棚の組み立てまでやってくださったり)、娘夫婦にも随分と手を貸してもらった。
オープン後はSNSでシェアしてくださったり、新規のお客様をわざわざ連れてきてくださったり、夫が留守のときは、ご近所の方が「忙しいでしょう?くるみちゃんの散歩行ってあげるよ〜」と言って声をかけてくださるので、甘えてお願いすることも多い。
他の飲食店の方や酒屋さんにも随分とあれこれアドバイスをいただいている。
お客様からは、「こういうお店がずっとやりたかったのですか?」と聞かれることが多い。
その質問には「夢を実現されたのですね…」的なニュアンスを感じる。
実際は下記の記事に少し書いたけれど、卒業制作の流れで理想の職場みたいなの(着物で働きたい、定年気にせず働きたい、毎日犬と一緒にいたい…などなど)を考えているうちに、もう50歳も過ぎたんだから自分でそんなの作るしかないよな〜…と思っていたところに、なんかできそうな賃貸物件が本当にたまたま見つかって、不動産屋さんを通じて大家さんにあれこれリクエストしたら、全部OKが出たのでそのまま流れに乗ったというのが、事実だ。
(私の理想の職場については、↑上記の記事内にある卒業制作へのリンク先に飛ぶと、その一番下に理想の職場について書いたものがある)
だいぶ以前にとある大企業の情報システム部門の手伝いをしていたときに、頭だけ使う仕事じゃなくてカラダも使う仕事が良いなぁ…と感じたことがある。
その会社はあまりに暇で、廃棄しなくちゃいけないPCが山のようにあったり、ケーブルがメチャクチャに放置されたりしていたので、暇のときにPCの中身を完全にクリーンにして廃棄の部門に送るという手配をしたり、ケーブルを整理したりしてカラダを動かすと、なんだか頭の中がスッキリして、このほうが生産性も上がりそうだし、なにより生き物として健全なのではないか…と体感したためだ。
現在の仕事はカラダ:アタマが7:3ぐらいで、わりと良い感じ。
疲労はあるけれど、疲弊はない。
カウンターの内側に座って、本を読みながらお客様が来るのを待っていたら、ふと、子供のころの憧れの仕事について思い出した。
私が憧れていたのは、お嫁さんでもスチュワーデスでもなく、住んでいた団地の本屋のおばさんである。
彼女はひっつめ髪にグレーの服でレジの前に座って、背中を丸くして周囲に置かれてある本に囲まれて文庫本を読んでいた。
レジを打つところと本を読んでいる姿しか見たことなかったので、毎日好きなだけ本が読めて、暇そうで楽そうで、それが仕事なんて素晴らしいんだろう…と思っていた。
実際の本屋さんは品出しとか発注とか返本とか山ほどあって、そして何より儲からなくてかなり大変な仕事なのだけれど、小学生の私には大変な部分は全く見えていなかったし、知らなかった。
今、カウンターの内側に座って本を読む私はそういう意味では、夢を叶えたということかもしれない。
まぁ、一般に夢を叶えるというともっと華やかな感じなので、なんだかピンとこないけれど…。
何の修行も経験もなくいきなり開店させてしまった。
これは頭金なしで住宅ローン組んで物件を買うようなもので、この後もずーっと大変なんだろうな…と思うが、今のところ楽しくやっているので、大変なことが起きたらその時考えることにする。
色々と考えなしで無茶苦茶な人だな‥と思われそうだが、二十歳で生後二ヶ月の娘を連れて、仕事もしたことがなく、養育費ももらわずに離婚したことを考えると、今回のキャリアチェンジはそうたいして無茶苦茶でもないだろう…などと本人はどこ吹く風である。
本当に大幅なキャリアチェンジですね。驚きました。
お店を開くというのは全く想像していませんでした。
でも、自分のやりたかったことが見つかって、それを実現できる行動力は素晴らしいと思いますし、うらやましいです。
体調管理が今まで以上に重要になるのだろうと素人ながら思います。
ご自愛ください。
そして何より、楽しんでください。
ブログを読むことが、より一層楽しみになりました。
MIYOKAWA様
いつも温かい励ましのメッセージを送ってくださりありがとうございます。
自分でもお店を開くというのは全く想像していませんでした。
そもそも美大に行くという点からして、色々と想定外でした。
なんとなく、そういう流れがやってきてそこに乗ってみた…という感じです
体調に気をつけつつ、細く長く継続していきたいと考えています。
引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。