逗子日記:二〇二四年十二月 閉塞成冬 (そらさむくふゆとなる)

5時20分起床。
微妙にお店の仕込みが終わっておらず。
ガス台はおでんと角煮の鍋に占領され、他のエリアは野菜がメインの惣菜の作業場となっている。
とはいえ、おでんも角煮も昨晩までにあれこれ終えているので、そうそう焦らずともなんとかなりそう。

むしろ面倒なのは、季節限定の日本酒が入荷したことで、メニューのレイアウト変更を行わないと、1枚に入りきらなくなってしまったこと。


久しぶりにIllustratorを立ち上げて強引に1枚にまとめたけれど、文字間や行間の調整をもう少しやってスッキリさせたいがエディトリアルはやり始めると1日かかってしまい、本末転倒になりかねないのでここで終了。
もう一度うちでお願いしているデザイナー兼イラストレーターさんに相談したいが、お店オープン以降、打ち合わせの時間もなかなか取れていない。

朝食は昨日商店街にオープンしたemeさんのパウンドケーキとコーヒーで。


お茶の香りがしっかりするグリーンのパウンドケーキは味だけでなく色も美しい、ラムのパンケーキはしっとりとして丁寧に作られた味がして深煎りのコーヒーによく合う。

昨日、一昨日と定休日だったので、日曜日の今日から1週間が始まる。
飲食店で週休二日?…と自分がお客様の立場のときは思っていたが、やってみると完全ワンオペの店だったら週休二日でもかなり大変。
私なんて、上が自宅で下が店だから通勤もないし、そもそも近所の人しか知らない暇な店だし、暇なときは家事ができないこともないけれど、それでも定休日は発注、支払い、帳簿つけ、仕入れ、着物の手入れ、それから仕込み、さらにその他にもお店を開けているときにはできない雑事に忙殺されて、これ休み?という状態。
週休3日じゃないと本当の意味での休みなんてないだろう、これ・・・・。

少し前に都内で行きつけだった店のご主人にあれこれお話をうかがった。
この方も飲食店業界じゃないところから、ワンオペの個人店をさせた方。開店当初は寝る暇もなかったけれど、今では週休2日の定休日には一切仕込みしなくてよいほど手が早くなったと聞いて、まずは目標はそれだな・・・・と決めた。
今のままでは、料理も飲み物も勉強がまったくできないので、手持ちの札が増えない。

もともと転職回数が多い人生で、業界の異なるところにいきなり行くことが好きだった。
転職するなら、知識欲からできるだけ知らない業界、やったことないこ職種に行ってみたい…というのと、以前の人脈や経験を活かす職場っていうのが「守り」に入っているぽくて、なんかカッコ悪い…というアホみたいな若さ特有の見栄のためだけれど、一方で知らないところでもまぁ勉強すればなんとかなるでしょう…という根拠のない自信があるためだった。

今回のキャリアチェンジについては、好奇心や新しい経験がしたいではなくて、自分の最後の職場作りの要素がメインだし、最初から生活費全部稼いでやろうなどとは全く思っておらず、まぁ時間をかけて、少しずつ慣れながら気がついたら食べていけるようになりました…ぐらいで経済的には想定しているのだけれど、この勉強できる時間のなさはなんだか気持ち悪い、居心地が悪い、良くない感じがプンプンするのだ。
さて、どうしよう。

バタバタしながら本日も13時にオープン.
風は強くないけれど、冷たい北風が弱く吹いており、お日様が出ているとはいえ、そろそろ犬連れ外利用も厳しくなってくるだろうな…と思っていたところに、予約の電話が立て続けにあり驚いた。

どこの飲食店からも予約の直前キャンセルや人数変更による迷惑についてはさんざん聞いているので、基本予約は受け付けないことにしている。
そもそも予約してまで来るほどの店でもない。
とはいえ、ご近所さんや常連さんについては、今日何時に行きますぐらいに言われれば席を取っておくことにしている。

今日のお電話はどうしても予約が取りたい、近所のこの家に住んでいますのでなんとかなりませんか?という方と、あと20分で行けるので席を取っておいて欲しいというお話だったので、そこまでお気遣いいただいた上に、なるほど‥そういう事情ではということだったので、予約を受けた。
まったく畑違いの仕事をしていると見えてこないことがここにもあった。

この日は15時から急にお客様がパタパタやってきて、閉店まで座る時間ゼロ。
常連さんには感謝だし、初めてのお客様がやってくると、なんだか店もやっていけそうだな…と安心する。
今日はご近所トレッキングの話を教えてくださる方や、本についてあれこれお話してくれるお客様が来てくださって、改めて今までの半径5メートルと違った場所に立っていることが実感でき、うんうん、あってるあってる、こういう体験がしたかったんだと納得。

閉店後に晩ごはん。
といっても、疲れ切っているので焼酎のお湯割りを飲んで、お店のメニューに加えようか検討中の味噌と酒粕に漬けた豚肉を焼いて食べ、これまたお店で付け合わせに出している野菜を少しつまむ程度で終了。
漬けておいたお肉は美味しかったが、お店で提供するとなるとこれグリルにつきっきりなのをどうするかの課題を解決する方法を考えなくては。

寝しなに図書館から回ってきた 「パーティーが終わって、中年が始まる」を寝しなに読む。
まさに同じこと感じている‥それを言語化してもらえた…という読者が多そうで、売れる理由がわかる1冊。
あっという間に読めそうで、今の私にはちょうど良いかも。

昨年同時期

逗子日記:二〇二三年十二月 閉塞成冬 (そらさむくふゆとなる)

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